香川県の浜田恵造知事は9月11日、平井卓也衆議院議員と土庄町の三枝邦彦町長とともに経済産業省本館を訪れ、西銘恒三郎同省副大臣に「太陽光発電事業の適正な事業実施」に関する要望活動を行った。土庄町豊島の太陽光発電計画に対し、国の適正実施を求めた内容で、豊島住民の不信感を払拭(ふっしょく)するため対応した。
要望内容は▽太陽光発電事業者に対し「事業計画策定ガイドライン」に基づいた指導を十分行い、特に地域との関係構築には配慮すること▽太陽光発電事業者名などについて、「電気事業者による、再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき早期に公表する―とした2点。
この問題は香川県・土庄町豊島でフォレストエナジー(広島県)と中栄石材(土庄町)による豊島栄山地区での太陽光発電所整備計画が浮上。住民に計画の内容、事業者名が公開されないまま進められたため、豊島住民から反対運動が起きている。
太陽光発電などの再生可能エネルギーは、地球温暖化対策に加え、エネルギー自給率向上の観点からも重要で導入拡大が必要であるとの認識がある一方で、地域住民の理解を得て、地域と共生した事業の実施が重要であるため、資源エネルギー庁は今年3月に「事業計画ガイドライン」を策定。これを踏まえた、適切な事業の実施が必要だとして、要望書では国から太陽光発電事業者にガイドラインに基づく指導と、特に地域との関係構築に配慮するよう強く訴えた。
今年4月に施行した「電気事業者による、再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」の一部改正では、再生可能エネルギー発電事業者の事業計画について、実施可能性や内容などを確認し適切な事業実施が見込まれる場合に経済産業大臣が認定を行う制度が創設されている。このため、県では不透明感が拭い切れないとして、同法に基づき国が太陽光発電事業者名を早期に公表するよう、併せて強く要望した。
提供:建通新聞社