県産の新技術活用に向け静岡県が2017年度から試行を開始したフィールド提供型の新技術公募で、第1号となる2技術が決まった。二つの技術は、「レーザークリーニング工法」と「エコスラッジ緑化工法」。県交通基盤部技術管理課は、県発注機関に対して活用フィールドとなる現場の照会を行っている。今後、県産の新技術の地産地消が促進され、「地産外消」に発展することが期待されている。
県交通基盤部は、県産の新技術を公募して県発注工事での活用フィールドを提供する制度試行を17年度からスタートした。「長寿命化、災害対応、生産性向上などの社会ニーズに応じた静岡県産の新技術」を主な技術テーマとし、新技術の公募を行っている。
2つの県産新技術は、県庁内で開かれた「建設工事新技術活用評価委員会」で県発注機関(各土木事務所、各農林事務所)に対し、活用現場の照会を行うことについて承認された。
2技術のうち、「レーザークリーニング工法」は、鋼構造物や橋梁などの塗替え塗装時の素地調整で、高出力のレーザー光を対象物に照射し、母材を傷めずに瞬時に塗膜やさびを1種ケレンと同等に除去する工法。申請者は、フォーカス・エンジニア。同社は、レーザー塗膜除去工法を開発したトヨコー(富士市、豊澤一晃社長)と鈴与建設(静岡市清水区、大石泰明社長)が出資して設立した合弁会社。工法の特徴は、エアーブラスト工法では困難だった複雑な形状や、狭隘(きょうあい)部の施工に向いているとともに、研削材を使用しないため騒音や粉塵の飛散、廃棄物の発生を大幅に抑制することが可能となっている。
「エコスラッジ緑化工法」は、県内で産業廃棄物として処理されていた浄水汚泥と静岡県リサイクル認定製品であるエコサイクルコンポを混合した生育基盤材(エコスラッジソイル)を法面に造成する資源循環型の法面緑化工法。申請者は、多自然型工法研究会(事務局・須山建設<浜松市中区>)。工法の特徴は、団粒化された基盤が造成され、排水性と保水効果に優れるため、長期にわたる法面保護が可能となっている。
提供:建通新聞社
(2017/9/15)
建通新聞社 静岡支社