建通新聞社(神奈川)
2017/09/13
【神奈川】特養整備、倍増の年間600人で計画化 複数年委託、全体スライド準用して契約変更 林市長が市会答弁 横浜市
横浜市は2018〜20年度の第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(7期計画)で、特別養護老人ホームの年間整備をこれまでの300人から600人に倍増させる。人件費の占める割合が高い複数年にわたる委託で、公共工事の全体スライド条項を準用して契約変更できる仕組みを18年度の新規契約案件から導入する。9月13日の市会本会議で林文子市長が答弁した。
特養の整備を巡っては、林市長が7月の市長選で「年300床から2倍程度」への拡充を公約に掲げていた。市は3年ごとに定める高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画で特養を含む施設の整備目標を示しており、18年度が初年度となる7期計画の策定作業を進めている。
現行の6期計画(15〜17年度)では特養の整備目標を▽15年度=299床▽16年度=220床▽17年度=370床―としていた。
7期計画での特養整備の考え方を問われた林市長は「2025年に向けて要介護認定者や認知症高齢者が急激に増加して、施設入所を必要とする人が大きく増える」と状況を説明。その上で、公約を踏まえて「現行計画の年間300人分から2倍に当たる600人分を整備し、中・重度の要介護者で施設入所が必要な方が入所できるようにする」と明言した。
一方、複数年にわたる委託の契約変更は人件費の上昇などに対応するため、林市長が2月の市会本会議で18年度からの実施を表明していた。
林市長は「公共工事で採用している全体スライド条項を準用して導入する。契約から2年目以降の未履行分の金額を最新の労務単価等で再計算し、変動額が一定の水準を超える場合に変更できる仕組みとする」と具体的な中身を紹介。周知を経て「18年度に新たな契約を締結するものから実施し、事業者の健全な経営と人材の確保につなげていきたい」と述べた。
提供:建通新聞社