トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2017/09/13

【東京】都 実行プランの事業実施状況まとめ

 東京都は「2020年に向けた実行プラン」の事業実施状況レビューの結果をまとめた。「スマートシティ」の実現に向けた施策のうち無電柱化の推進については、新たな条例を9月1日に施行し都道全線で電柱の新設を禁止した一方、材料の低コスト化やコンパクト化などを課題として挙げ、さらなる検討を進めていくとした。「ダイバーシティ」の実現では、特別養護老人ホームの定員6万人と認知症高齢者グループホームの定員2万人を確保するための取り組みとして、都独自の施設整備費補助などを通じて着実に事業が進んでいると評価しつつ、多様なニーズに対応する施設や住まいの整備を引き続き進めていくとしている。
 都は2016年12月に策定した実行プランの推進に当たり、各年度の事業の進捗や成果を調査・把握し、その結果を次年度以降の政策展開につなげるとともに、都民ニーズの変化に的確に対応した政策のブラッシュアップにつなげる方針を打ち出している。
 セーフシティの実現に向けた取り組みでは、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化で、17年6月末の耐震化率が15年12月末と比べ2・7ポイント増の83・6%となった。目標とする19年度末の耐震化率90%に向けて、さらに耐震改修などを加速させる。木造住宅密集地域の不燃化に関しては、15年度末時点で62%だった不燃化領域率を20年度末に70%に引き上げるため、防災生活道路の整備や老朽建築物の住み替え助成など工夫しながら取り組みを推進する。
 都が進める特定整備路線の整備は、全28区間を事業化し用地買収を開始したが、用地の取得率が約3割にとどまっている。20年度末の全線整備に向け、相談窓口の活用などで権利者の理解と協力を得て工事を進めていくことが必要だとした。
 豪雨・土砂災害対策については、環状七号線地下広域調節池など5施設の整備に新規着手しており、25年度までに13施設を新規稼働させ、都内全域の調節池貯留量を13年度と比べ1・7倍の360万立方bに引き上げる。下水道施設整備では、時間雨量75_対応として新規2地区を含む3カ所で事業を開始し、50_拡充対策でも新規2地区を含む4地区で整備を進めている。
 都市インフラの長寿命化・更新では、16年度末までに橋梁66カ所、トンネル4カ所で長寿命化工事に着手するとともに、下水道管の再構築として16年度に694fの面整備を実施した。目標(24年度に橋梁160カ所とトンネル26カ所の長寿命化着手、29年度に都心4処理区の再構築完了)の達成に向けて引き続き事業を推進する。
 「ダイバーシティ」の実現に向けた取り組みのうち、ユニバーサルデザインのまちづくりでは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技会場、競技会場や観光施設周辺の都道、駅や生活関連施設を結ぶ都道のバリアフリー化を実施する。16年度末までに競技会場や観光施設周辺の都道で約20%、駅や生活関連施設を結ぶ都道で約10%の整備を完了しており、残る事業を加速する。
 「スマートシティ」の実現に関する施策のうち、骨格幹線道路ネットワークの形成では、16年度末の整備率が区部環状道路93%(目標は20年度に95%)、区部環状道路94%(同96%)、多摩南北道路76%(同89%)、多摩東西道路69%(同74%)となっており、残る区間の調査や工事を推進する。

提供:建通新聞社