トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日刊建設工業新聞
2017/09/13

【鳥取】意見交換会・県建設業協会と県営繕課・予定価格の事後公表など

 県総務部営繕課と県建設業協会(下本八一郎会長)との意見交換会が11日、県庁で開かれた。その中で、県は、予定価格の事後公表について、「一定額以上の営繕工事を対象に2017年度から試行したい」と導入時期を具体的に示し、あらためて協会に理解を求めた。これに対して協会は「結論はこの場では出せない。建築委員会で再度、議論する機会を設けさせてほしい」と回答を留保した。
 意見交換会には、協会から下本会長、松浦幸盛建築委員長、中村力男専務理事らが出席。県から宮脇儀裕総務部参事監兼営繕課長、山本雅美県土整備部県土総務課室長らが出席した。協会は議題として▽入札時の「配置技術者工事成績」期間延長▽建築工事の経費のうち一般管理費等の率▽石綿含有建材撤去数量▽工事書類の簡素化▽道路使用許可申請手続きの簡素合理化−の5項目を提案した。
 その中で、「過去5年間」となっている現行の配置技術者の工事成績について、「今後、営繕工事が減少する傾向にあり、技術者が5年間に次の工事につける状況にない」として、技術者の育成などの観点から「過去7年間」位の延長を要望したのに対して、県は「制度上の問題を踏まえ、前向きに検討したい」と理解を示した。また、国交省が昨年12月に改定し、上昇した一般管理費率の対応について県は「新年度からの改定予定で準備している。18年4月1日以降に発注する工事から国と同じ基準になる。ものによっては1〜2%上昇する」と回答した。工事書類の簡素化については、「発注者も同じ思い」と同調し、「具体的な方策を検討するため、現場の技術者と監督員が協議する場を設けたい」と提案した。
 県は、予定価格の事後公表について「18年度から、3億円以上の工事を対象に事後公表し、併せて国が17年度から本実施している入札時積算数量書活用方式を試行導入したい。予定価格に代わるものとして、発注見通しで概算工事費を公表したい」と協会の理解を求めたが、協会は「協会で意見集約して、再度、意見交換したい」と答えた。また、「18年度から総合評価落札方式の配置技術者の施工能力評価点数にCPD単位取得者の評価を追加したい」と提案したのに対して、協会は「CPDを否定するものではない。評価することはいいことだが、現状では公平感を欠く。実施に当たっては、取得に必要な相当な猶予期間が必要」と18年度からの実施に難色を示した。県では「準備不足。仕切り直しする」と協会の意見を受け入れ、今回の提案を取り下げた。


日刊建設工業新聞