秋田市上下水道局は、老朽化した仁井田浄水場の整備方針を検討するため、11月をめどに第2回検討委員会を開催する方針だ。今月7日には第1回検討委を開き、同浄水場の現状や課題が報告されたほか、現地視察も行われた。第2回検討委では、耐震補強で長寿命化した場合と全面更新した場合の事業費試算などをもとに、必要な施設の規模や更新方法を検討する予定。
仁井田浄水場は耐震性能や設備の老朽化、停電や浸水、雄物川の濁度上昇や化学物質等の流入による水質事故への対応など、多くの課題を抱えているため、市が全面更新や既存の長寿命化など、整備方針を検討している。
今年度に立ち上げた検討委員会は年度内に第4回まで開かれる予定で、11月に予定している第2回では施設の規模や更新方法について意見を交わす。耐震補強で長寿命化した場合と全面更新した場合の概算値が市から示される予定となっている。
先の6月議会に示した耐震補強工事の概算事業費は、浄水施設・排水処理施設の整備費を146億8,500万円、建築施設の整備費を1億4,700万円とするもの。また、新設の場合は概算155億円がかかるとする試算も26年度に示している。
耐震補強工事のうち、躯体補強工事費は25億400万円、地盤改良費は杭補強で11億5,500万円、液状化対策で76億4,400万円、支障設備類の撤去・移設・復旧費は31億4,100万円が必要とされている。
検討委では第2回の議論を終えた後、第3回で処理方式を詰め、その後は市が基本計画の素案を作成。第4回の検討委に素案を示して意見を聴取する。その後、パブリックコメントを経て来年度に成案化する方針。
提供:秋田建設工業新聞社