岐阜県商工会議所連合会と中部地方整備局は9月6日、初めての懇談会を岐阜市内で開き、地域の課題や要望について意見を交わした。これには、岐阜・各務原・関・高山・多治見の各商工会議所の会頭ら、中部地整の各部部長、県内の事務所長らが出席した。
岐阜商工会議所の大松利幸副会頭は、「岐阜県は自然風土に恵まれた地域だが、愛知県に隣接していることから岐阜県内の産業は振興している」と話した。その上で、東海環状自動車道西回りルートなどの道路網整備や、自然災害から地域を守る強靱(きょうじん)な国土の形成を要望。初めてとなる今回の会合に期待感を示した。
中部地方整備局の塚原浩一局長は、東海環状自動車道の養老JCT〜養老IC間が開通することを報告した後、防災・減災については「大きなミッションの一つと考えている。九州北部豪雨の被災箇所の地形や地質は岐阜県とも似ておりひとごとではない」と指摘。「(インフラ整備を含め)岐阜県内にはまだまだやらなければいけない事業がある。皆さまの要望を実現できるよう予算確保に取り組んでいきたい」とあいさつした。
中部地方整備局は事業概要や防災・減災、観光振興、生産性向上への取り組みを説明した。
同連合会は道路網整備の促進、観光振興、事前防災などについて要望。このうち道路網の整備促進では、東海環状自動車道の開通見込みを質問し、名岐道路や岐阜南部横断ハイウエーの整備を要望した。特に、大垣、岐阜、各務原、美濃加茂といった県内南部の主要都市を東西につなぐ岐阜南部横断ハイウエー構想に関しては、事故や交通渋滞が多発していることや、定時性を確保するという観点からも早期の高度化整備を求めた。
観光振興では、地域資源を生かした取り組みを展開している中濃や東濃地域に対して国からの支援やアドバイスを求めた。「清流の国」の強化については、川≠軸とした観光資源とインフラ整備を結びつけるような取り組みも求めた。また、インバウンドも増えることが予想されることから、観光地表記など道路利用者に分かりやすい道路案内標識の整備を要望した。
事前防災に関しては、土砂崩壊などで道路が寸断され孤立する地域を減らすためにも、国交省と他省庁とが横断的な対策を講じることができないか検討を求めた。
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建通新聞社(2017/09/08)