(一社)千葉市建設業協会(会員99社)は千葉市に対して、浸水対策に役立ててもらうことを目的に「土のうステーション」1基(25万円相当)を寄贈。その贈呈式が8日、千葉市役所の市長応接室で行われた。出席したのは、寄贈側から同協会の佐々木利武・副会長、田中秀典・土木部会長、山本修三・常務理事の3氏、市からは、熊谷俊人市長をはじめ、永名淳悟・建設局長、斉藤平・土木部長、長嶋條・中央・美浜土木事務所長の4氏が応対。土のうステーションには、土のうが約100袋入っており、必要な時に24時間、いつでも誰でも自由に取り出せるというもの。設置場所はJR蘇我駅東口駅前広場で、寄贈は今回が初めて。
◆市内20箇所目、寄贈は初
土のうは、積み上げることで、応急措置として浸水被害を軽減することが出来る。そこで千葉市では、近年、局地的集中豪雨が多発していることを踏まえ、土のうステーションを市内の公共施設の駐車場をはじめ、橋梁脇や高架下、交差点付近などのあらゆる所に設置。今回のJR蘇我駅東口駅前広場で20箇所目となった。
◆蘇我駅東口駅広に
贈呈式では、まず、寄贈者を代表して佐々木副会長があいさつ。熊谷市長に対して、同協会が地域の守り手として、災害時に千葉市と協力して対応を行うなど、地域の暮らしの安心・安全の向上に取り組んでいることに言及したうえで「災害対応では、市職員とともに現場対応を行っているが、ゲリラ豪雨などでは対応が間に合わず、宅地が浸水する状況にある」と指摘。これらの事態に備え「市民が土のうを有効に活用し、自助・共助することで被害を軽減できるよう、市が土のうステーションを設置していると伺った」と述べた佐々木副会長は「協会としても賛同できることから、地域貢献の一環として、千葉市に土のうステーションを1基寄贈させて頂くことになった」と説明。千葉市と相談し、昨年の9月豪雨で道路冠水した蘇我駅東口の駅前広場に設置する経緯を報告するとともに「今後も(双方が)協力しながら、安全・安心なまちづくりに貢献し、ともに歩んでいけることを期待している」と結んだ。
◆土のうの使い方/市民が知る機会
これを受けて熊谷市長は「貴協会のみなさんには、災害時はもとより、日常的な千葉市のインフラづくりに関しての支援と理解に感謝している」と述べ「今回は土のうということで、市民の生活に対する自助・共助の部分での支援に対し感謝申し上げる」と、重ねて謝意を示した。
一方で「これからは台風やゲリラ豪雨等で、何かと水害に対して警戒していかねばならない時期となる」との警鐘を鳴らした氏は「その中で、昨年浸水した蘇我駅前における土のうステーションの寄贈は、大変に心強く思う」とし「これをきっかけに、土のうの使い方も多くの市民に知ってもらえれば、何十年に一度の豪雨に対して、何かハード的なことを行うというのも一つの考え方だと思う」と言明。
さらに、熊谷市長は「これからも災害に強いまちづくりに向けて、建設業協会のみなさんとはタッグを組んで進んでいきたい」と述べ、あいさつとした。
◆一番の最終成果は有効活用すること
目録贈呈後に行われた懇談の席では、永名建設局長がこれらの土のうステーションについて「地元の町会の方々には知らせてあるが、より多くの方に利用されるように努め、有効活用できるということが一番の最終的な成果となる」と述べ「それに向けて努力していきたい」と言明。
加えて「私ども建設局としても、市民の安全を確保するための大きな力になる」とした氏は「併せて、市職員が土のうづくりの訓練をしながら、これらを維持・整備していきたい」との方針を示した。