秋田県の今年度第1回公共事業評価専門委員会が8日に開かれた。建設部分では国道107号の由利本荘市大簗(事業費54億5,000万円)など4件、農林水産部分では、仙北市田沢湖の神代地区(同68億9,000万円)や秋田市金足の金足西部地区(同64億9,000万円)で行われる農地集積加速化基盤整備事業など7件の新規箇所評価について審議された。各事業は今後、来年度の新規事業として国に要望される。
建設部では、幅員が狭く急カーブのある大館十和田湖線・雪沢工区(大館市)の現道拡幅や国道107号大簗工区(由利本荘市)の現道拡幅およびバイパス整備、国道108号十分一工区(湯沢市)の現道拡幅のほか、土石流危険渓流のオバコ沢(仙北市)で火山砂防事業を実施。
農林水産部では、農地集積加速化基盤整備事業で金足西部(秋田市)、四ツ小屋北(秋田市)、協和川口(大仙市)、内小友東部(大仙市)、神代(仙北市)、関口(湯沢市)、かんがい排水事業で蛭野・角間川堰(横手市、大仙市)を整備する。
8日の委員会では県建設部の佐藤和義次長が今年の大雨災害などに触れ、「自然災害リスクが高まるなか、安全・安心の確保や強靭(きょうじん)な県土の形成に向け、必要な社会基盤整備を進める必要がある」とし、「忌憚のないご意見をいただきながら、適正な事業執行に努めたい」と述べた。
公共事業評価専門委は知事の諮問に対し、公共事業の内容を審議して県に意見を提出する役割を持ち、評価は新規箇所評価、継続箇所評価、終了箇所評価の3つに区分される。今回の第1回は新規箇所が評価された。
新規箇所の概要は次の通り(事業名、@計画概要 A事業費 B事業期間の順)。
◎建設部
△地方道路交付金事業(改築)・大館十和田湖線(大館市雪沢)…@現道拡幅L2,930m、W8.5m(車道W6m)A12億3,000万円 B30〜37年度
△地方道路交付金事業(改築)・国道107号(由利本荘市大簗)…@現道拡幅・バイパスL2,350m、W9.5m(車道W6.5m)A54億5,000万円 B30〜40年度
△地方道路交付金事業(改築)・国道108号(湯沢市院内銀山町十分一)…@現道拡幅L1,800m、W8.5m(車道W6m)A14億6,000万円 B30〜36年度
△火山砂防事業・オバコ沢(仙北市田沢湖田沢字打野)…@砂防堰堤工1基(H7.5m、L59m)、渓流保全工L250m A2億円 B30〜34年度
◎農林水産部
△農地集積加速化基盤整備事業・金足西部(秋田市金足)…@区画整理・暗渠排水229.2ha A64億9,000万円 B30〜35年度
△農地集積加速化基盤整備事業・四ツ小屋北(秋田市四ツ小屋)…@区画整理・暗渠排水158.8ha A38億6,000万円 B30〜35年度
△農地集積加速化基盤整備事業・協和川口(大仙市協和)…@区画整理・暗渠排水25.5ha A8億4,000万円 B30〜35年度
△農地集積加速化基盤整備事業・内小友東部(大仙市内小友)…@区画整理・暗渠排水197.2ha A41億9,000万円 B30〜35年度
△農地集積加速化基盤整備事業・神代(仙北市田沢湖)…@区画整理・暗渠排水272.9ha A68億9,000万円 B30〜35年度
△農地集積加速化基盤整備事業・関口(湯沢市関口)…@区画整理・暗渠排水26.8ha A6億9,000万円 B30〜35年度
△かんがい排水事業・蛭野・角間川堰(横手市平鹿町、十文字町、大雄)、大仙市角間川…@排水路工L6,100m A14億8,000万円 B30〜35年度
提供:秋田建設工業新聞社