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建通新聞社(中部)
2017/09/08

【愛知】愛知県体育館 移転調査費を9月補正で計上

 愛知県は、愛知県体育館の名城公園北園への移転改築に向けた調査費2000万円を9月補正予算案に計上した。調査業務はプロポーザル方式での委託を考えている。補正予算案の議決を待たずに公告し、予算が議決された後、契約する予定だ。
 愛知県体育館を巡っては、名古屋城二之丸地区にあるため、城を管理している名古屋市が、遺構の保全活用などを理由に再三移転を求めていた。大村秀章愛知県知事は名城公園北園への移転を検討する方針を固め、市側も名古屋市会6月議会で市が管理する名城公園北園への移転に向けて協議する考えを示していた。今回初めて移転改築に関する費用を予算計上した。
 調査では、現在の体育館が果たしている機能や新体育館の整備に関する基本的な考え方(コンセプト)を踏まえ、新体育館の検討に必要となる条件を洗い出す。新体育館のコンセプトには、▽大相撲名古屋場所にふさわしい風格のある施設▽ピンポン外交など50年以上の愛知県体育館の歴史を引き継ぐ施設▽全国大会を常時開催できる施設▽アジア大会をはじめとした国際大会を開催できる施設▽全国レベルのコンサート・イベント・コンベンションなどの拠点となる施設―を挙げている。大村知事は、「愛知・名古屋のシンボルとなるような体育館」を目指したいとしている。これらのコンセプトを踏まえ、調査業務では、新体育館に必要な機能・諸室、建物規模、新体育館の配置計画の他、法規制などへの対応を検討し、工程計画を練る。
 調査業務はプロポーザル方式で委託する考え。補正予算案が審議される県議会9月議会は9月21日に開会し、10月13日に閉会する予定だが、議会の議決を待たずにプロポーザルを公告し、予算が議決された後に契約するスケジュールだ。
 新体育館は、2026年のアジア競技大会までに完成させることを目標に掲げているが、大村知事は、「アジア競技大会に間に合えばいいというのではなく、できるだけ早く進めたい」とも話している。
 現在の体育館については、国際的な大会に対応するための改修に向けて、16年度に基本設計を行った。17年度当初予算で実施設計費を計上しているが、移転改築が決まったことを受けて現在、改修計画の見直しを行っている。実施設計はまだ委託していない。現在の体育館は1964年10月にオープンした施設で、間もなくオープンから53年を迎える。新体育館が完成するまで利用することになるため、最小限にとどめるものの、改修は実施することになりそうだ。既存の体育館は、第一競技場が鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て、第二競技場が同造2階建てで、延べ床面積は合計1万7240平方b。競技場のほか、温水プールやボクシング場、トレーニング室、フィットネスルーム、相撲場、更衣室、会議室3室などを備えている。

提供:建通新聞社