名古屋市緑政土木局は、大江川緑地にまたがる港東橋の耐震対策を計画しており、道路の切り回しなど施工計画の詳細を詰めるため「港東橋耐震施工検討業務」を一般競争入札で藤コンサル(名古屋市西区)に委託した。落札金額は555万円だった。橋梁下部の補強が難しいため、既存の橋脚を残したまま盛土で支える構造にする。緑地を歩行者が通行するため、園路部分のみ上部工を撤去して門型カルバートを設置する。委託業務を踏まえ、可能であれば2017年度にも一部の盛土に着手したい考えだ。
既存の港東橋は上流橋と下流橋、橋側歩道橋で構成しており、橋長60・2b、幅員28bとなっている。上流橋と下流橋は3径間連続鋼ゲルバー鈑桁橋で、橋側歩道橋は3径間単純鋼鈑桁橋。車線数は6車線。
同橋が架かっている箇所の前後では、大江川が暗渠化されている。暗渠の上部は緑地となっていおり、園路が整備されているため橋の下を歩行者が通行することができる。
同橋の耐震対策では、橋桁から園路までの間隔が狭く、橋脚の補強も難しいため、全体を盛土構造物(盛土と気泡混合軽量土)で支える形を採用。園路部分の通行を確保するため、同橋の中央部のみ門型カルバートを設置して対応することにした。
上部工を撤去し門型カルバートを設置するのは、橋のゲルバー部分。カルバートのサイズは高さ3・1b×幅5・6bとなっている。全体では、橋を横断する形で延長32bにわたってカルバートによる園路を設置することになる。園路の前後にはU型擁壁も設置する。
上部工の撤去は分割施工で実施する見通しだ。工事中も橋梁上の道路交通を確保するため、橋の下流側(西側)に2車線分の一時迂回(うかい)路を設ける。
藤コンサルへの業務委託では、上部工撤去と園路構造物、盛土構造物、仮設道路、道路の詳細設計を行う。また、可能な限り現況交通を確保した分割施工と仮設道路計画をまとめる。
検討作業の進捗にもよるが、可能であれば、仮設道路付近の盛土工事を17年度にも発注、施工したい考えだ。
提供:建通新聞社