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建通新聞社(東京)
2017/09/07

【東京】都 多摩NT再生まちづくりへモデル検討開始

 東京都都市整備局は、多摩ニュータウン地区の再生まちづくりに向けたモデル事業の検討を始める。子育て世代や高齢者が住みやすいまちに再生するため、モデル地域を選定して都市機能や公共施設の配置の在り方、事業の手順などを検討するとともに、取り組みの主体や地元市と民間の役割分担、事業手法、支援制度などを整理する。都が具体的な再生モデルを示すことで、地元市や民間事業者によるまちの再生につなげていく考えだ。
 多摩ニュータウンは稲城市と多摩市、八王子市、町田市にまたがる約2884f。高度経済成長期の深刻な住宅不足と乱開発に対応し、良質な宅地・住宅を供給するため、日本住宅公団(UR都市機構)や東京都、東京都住宅供給公社、稲城市などが主体となって開発を進めた。1971年の第1次入居開始から45年以上が経過し、住民の高齢化や若年世代の流出、団地の老朽化、都市インフラの劣化など課題が顕在化。ニュータウンを再活性化し、まち全体が持続的に発展を続けられるよう、再生に向けた取り組みが求められている。
 都は有識者らで構成する検討委員会を設置し、「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン」の策定作業を始めるなど、再生に向けた道筋の検討を進めている。こうした取り組みの一環として、地元市を中心とした持続的な再生施策の展開に向け、都が再生モデルを示す。
 老朽化した大規模団地の更新と都市機能の再編が検討されている地区を1地区選定し、地区内の住宅団地や鉄道駅周辺の施設、学校・公共施設などの現況を基礎データとして整理し、地区の特性や法的・技術的な課題をまとめる。併せて老朽化した大規模団地での再生まちづくり事例を収集し、検討地区での適用に当たっての前提や課題などを整理するとともに、将来新たに求められる都市機能の内容や配置を考える。
 その上で、団地の建て替えや駅前の再編、学校跡地や公有地の交換、幹線道路沿道の土地利用転換といった視点から、再生モデルを実現するために想定される都市機能の交換や配置、組み合わせのパターンを整理。具体的な方策として、取り組みの主体や地元市と民間の役割分担、検討体制、合意形成方法などを検討する。
 さらに、地元市が主体となって行う事業手法も考え、構想から実際の整備までの都市計画や行政手続きの手順、スケジュールなどを整理。活用が可能な支援制度も検討し、再生モデルへの適用の可能性を探る。
 これらの検討業務は「多摩ニュータウン地区再生まちづくりモデル検討調査」として、9月27日開札の希望制指名競争入札を経て委託。2018年3月20日納期で取りまとめる。

提供:建通新聞社