防衛省は、陸上自衛隊による島嶼(とうしょ)防衛の初動体制強化を図るため、南西警備部などを整備する。奄美大島に新設する駐屯地の整備費として、2018年度概算要求に約130億円を求めた。内訳は、奄美地区に約24億円、瀬戸内地区には約106億円。完成は21年度を見込んでいる。
施設概要をみると、奄美地区の場所は、奄美市の奄美カントリーの一部で、敷地面積は約30ha。普通科を中心とする警備任務部隊で中距離地対空誘導弾(中SAM)を運用する。規模は350人程度を想定。現在、隊庁舎A(RC造4階地下1階建約9200u)や宿舎等の整備に入っており、整備場B等の入札手続き中。18年度は、弾薬庫や車輌整備工場等を整備する。
瀬戸内地区は、瀬戸内町節子地区の町有地で、敷地面積は約28ha。普通科を中心とする警備任務部隊で、規模は200人を想定している。17年度から本格的な施設整備に着手し、隊庁舎(RC造2階建約5700u)を整備しているほか、整備場B、Dなどの発注に向けて手続き中。18年度は、弾薬庫、車輌整備工事等の建築や、火薬庫地区の敷地造成を予定している。
事業進捗を受け、予算規模は17年度予算の約396億円(奄美地区約267億円、瀬戸内地区約128億円)から大幅減となった。
このほか、奄美大島には移動式警戒管制レーダーの展開基盤を整備する。