県文化振興課と秋田市企画調整課は、県・市連携文化施設の基本設計素案を県政協議会、市議会閉会中総務委員会にそれぞれ示した。文化施設の本体は鉄骨鉄筋コンクリート造一部鉄骨造で地上5階・地下1階建てで計画、駐車場は鉄骨造地上1階(1層2段)、床面積約2,480u規模で計画している。文化施設の延べ床面積は約21,500uで変更はない。基本設計は佐藤総合計画・小畑設計共同企業体が請け負っている。
建設にあたっては隣接にある秋田和洋高校の校舎を移転させ、移転後の敷地を一体利用する。今年5月以降、地権者などと取得に向けた協議や調整を進めた結果、今年度中に土地の売買契約を締結する見通しが立ったという。取得面積は実測で3,934.45u、予定取得価格は1億4,650万円で、平成32年9月末までに引き渡す。和洋高校敷地の取得により、県民会館敷地と合わせた総敷地面積は17,401.55uとなる。
同校の敷地を取得することで、駐車場側から施設に直接出入りができるようになり、施設の回遊性が高まったほか、ホールの並列配置や広大なエントランスの設置が可能になるなど、整備計画案に比べて余裕のある施設配置となる。
和洋高校の校舎については現在、移転に向けた補償費の算定や移転条件の協議などを行っている。今後、秋田市11月議会などで基本設計案の説明や和洋高校の移転補償費などが提示されるほか、和洋高校の土地取得で契約に必要な費用や建物移転補償費、文化施設の実施設計費が予算計上される予定。
6日に示された基本設計の素案によると、1階の出入り口は中土橋通りに面し、内に入ると高機能型ホールと舞台芸術型ホールの2方向に動線が分かれる。エントランスホールには練習室や研修室のほか、多目的スペースやレストラン、情報発信センターなどを設ける。2階部分は吹き抜けとし、中土橋通りと連続して市街地と千秋公園を結ぶ「秋田小路」を設ける。
また、1階エントランスと奥の駐車場を結ぶ「芸術の路」も設置。佐竹小路側と中土橋通りをつなぎ、旧県立美術館との連続性を確保する。東西では秋田小路と交差することで、回遊性も高める。
2階は各ホールの1階客席前列で、ビュッフェやカフェ、穴門の堀に面した散策デッキも設ける。3階は各ホールの1階客席やホワイエで構成される「主階」、4階は各ホールの2階客席前列やホワイエからなる「上階」とし、5階には電気室や屋外機械スペースを設ける。地下1階にも機械室や電気室などを設置する。
提供:秋田建設工業新聞社