江東区は、東京8号線(有楽町線)の豊洲駅〜住吉駅の延長5・2`の延伸の事業化について、「地下高速鉄道整備事業費補助」の活用を前提とすることとした。整備主体については、東京都と江東区、東京メトロで構成する第3セクター、営業主体として東京メトロを念頭としているようだ。区は整備効果として混雑の緩和を見込んでおり、国や東京都が目指す目標を実現に近づける方策として、延伸計画をより具体化したい考え。
補助に関しては、「都市鉄道利便増進事業費補助」には適さないとみている。有楽町線延伸によって東京メトロに利益は生じるものの、同時に同社他路線の減益も見込まれるため、会社全体の受益から支払う施設使用料が整備主体の必要とする施設使用料を下回り事業が成立しないという。一方で、地下高速鉄道整備事業費補助は、整備区間における収支の成立性に着眼した制度のため、整備主体の累積資金収支は30年以内に黒字転換する見通しとなっている。こうした助成と事業の特性を踏まえ、地下高速鉄道整備事業費補助の適用を視野に入れている。
混雑の緩和に関しては、国土交通省が示した鉄道のピーク時混雑率199%で全国ワースト1位となった木場駅〜門前仲町駅を有する東西線と、延伸区間がアクセスするため、整備により混雑率が20%近く緩和すると試算している。
区としては、さらに効果的・効率的な手法について議論を深め、整備計画の精度を高めるとともにコスト削減に取り組む。
提供:建通新聞社