千葉市は1日、稲毛海浜公園施設リニューアル整備・運営事業で、事業予定者となったワールドパーク連合体と基本協定を締結したと発表した。協定締結日は先月29日、事業期間は20年間、想定事業費は民間負担額35・7億円、市負担額24・8億円。これを受けて市は、5日に開会する市議会定例会に市負担額(債務負担行為の設定)に係る補正予算案を提出する。また、同補正予算案には、中央区役所移転・美術館拡張整備費も盛り込んだ。
市は稲毛海浜公園のもつポテンシャルを最大限に生かし、より魅力的で賑わいのある場となるようリニューアルするため、民間事業者から事業提案を募集し、6月にワールドパーク連合体(千葉市美浜区中瀬2−6−1)を事業予定者に選定した。
事業区域は、稲毛海浜公園のうち、検見川地区、ヨットハーバー、スポーツ施設を除く区域(約65ha)。事業者負担により整備する施設(収益施設)は、グランピング施設(豪華なキャンピングスタイル)、バーベキュー場、温浴施設、宿泊施設(稲毛記念館のリノベーション)、プール改修(部分的にリゾート感を演出)などで、想定事業費(消費税を除く)は35・7億円。
一方、市の負担で整備する施設(非収益施設)は砂浜やトイレの改修、ウッドデッキ、電気・上下水道等のインフラ整備などで、想定事業費は24・8億円となるが、稲毛記念館等の施設の管理運営形態の変更や、グランピング施設、温浴施設等の新設等により、20年間で市の維持管理負担額は約38億円減少するほか、公園使用料収入は約10億円増加するとしている。
補正予算案議決後、詳細設計及び関係機関との協議が整ったものから順次整備に着手。18年の一部施設オープン、19年夏のプールのリニューアルオープン、20年ごろの主要施設オープンを目指す。
今回の補正予算案では、稲毛海浜公園施設リニューアル建設負担金で限度額24億8000万円の債務負担行為(期間18〜20年度)を設定するほか、中央区役所移転事業費2000万円(別途、期間18年度、限度額700万円の債務負担行為)、美術館拡張整備事業費2300万円(別途、期間18年度、限度額4900万円の債務負担行為)、グリーンツーリズム推進事業費800万円、こどもルーム運営費(期間18〜20年度、限度額2億2500万円の債務負担行為)、蘇我スポーツ公園第2多目的グラウンド天然芝舗装整備(期間18年度、限度額9300万円の債務負担行為)、公民館施設管理運営(期間18〜22年度、限度額65億9423万1000円の債務負担行為)等の予算を計上。一般会計の補正額は1億4292万3000円。
中央区役所移転・美術館拡張整備は、現在、美術館に併設している中央区役所をきぼーる内に移転し、移転後の跡スペースを活用し美術館を拡張するもの。中央区役所は本年度で実施設計、18年度にレイアウト設計を行い19年5月に移転。美術館は本年度で基本設計、18年度に実施設計を行い20年7月にリニューアル開館予定。
また、グリーンツーリズム推進事業では、若葉区及び緑区の一部を対象とする特区民泊制度の実施に伴うプロモーション及び地域連携を見据えた観光マーケティング調査を実施。公民館管理運営は、新たに公民館(全47館)に指定管理者制度(指定管理者は千葉市教育振興財団)を導入するためのもの。