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建設経済新聞社
2017/09/05

【京都】i−Conの自治体への普及 サポートCやモデル事業など 京都市1件試行、府は要領検討

 近畿地方整備局は、i−Constructionの地方自治体への普及のため、本局にサポートセンターを設置、各事務所にはアドバイザーを設置するなどし各府県と連携を強化する。
 このほど開いた近畿ブロックi−Construction推進連絡調整会議で地方自治体への普及方策を報告した。
 ICT土工の裾野を中小建設業者に拡大することが必要とし、初期投資がかかるICT土工のメリットを経営層が実感する機会を創出するため、現場支援型モデル事業を実施。自治体のICT活用工事をフィールドにICT好事例を創出する。モデル事業は本省で支援業務を準備、本局は自治体への声かけと支援協議会の旗振りを担う。
 地方展開モデル事業の進め方案によると、兵庫県の武庫川遊水地整備工事(その2)(神戸市北区)について、発注者指定型を採用。29年9月から31年2月までの工期で進める(2ヵ年債務)。土工施工量は約7万m3(掘削工等)。
 本局に相談窓口としてi−Construction近畿サポートセンターを設置、技術相談等を受ける。各事務所にはICT推進アドバイザーを設置、自治体等や施工業者への指導・助言を行う。
 ICT推進アドバイザーを窓口に現場見学会・講習会を府県単位で開催。12月に桂川久我東上流河道整備工事(京都市伏見区)の現場見学等を予定している。
 本局における28年度ICT活用工事の発注状況によると、契約済みの計109件のうちICT土工の実施は計69件。内訳は発注者指定型が契約済み3件(うちICT土工を実施3件)、施工者希望I型が契約済み33件(うちICT土工を実施30件)、施工者希望U型が契約済み73件(うちICT土工を実施36件)。
 29年度の取組によると、舗装工にICTを全面的に導入するICT舗装を29年度から取組開始する。必要となる技術基準や積算基準を28年度に整備、29年6月以降に公告する工事に適用する。
 7月20日現在、ICT活用による土工は93件を予定。内訳は発注者指定型26件、施工者希望T型38件、施工者希望U型29件。5件(発注者指定型2件、施工者希望U型3件)が契約済みで、うち3件でICT活用を実施。
 ICT活用による舗装工は11件を予定。内訳は施工者希望I型4件、施工者希望U型7件。
 港湾空港関係では、浚渫工は4件を予定。内訳は発注者指定型3件、施工者希望型1件。土工は1件を予定。内訳は施工者希望型1件。
 i−Construction推進連絡調整会議では、立命館大学理工学部の建山和由教授が、i−Constructionに初めて取り組んだ企業の事例を紹介。本局発注の一級河川堤防強化工事(土工量1000m3)のi−Constructionにトライアルした。「発注者との協議で工事開始まで2ヵ月を要した」「ICT建機を使った施工は予想以上に省力化と工事日数の短縮が図れる」「レンタルマシンは1ヵ月単位の契約のため、半月以下で工事を終えたが、1ヵ月分のリース代が必要だった」「重機レンタルの費用を抑え、3D測量の自社化を図ることができると収支構造は成り立つ」などとトライアルしてわかった課題などを報告した。
 府県政令市の取組状況によると、京都府は28年度発注は実績なし、29年度発注は未定。ICT活用工事の試行要領が未策定のため、策定を検討中。今後モデル工事を選定して普及に取り組んでいきたいとしている。
 滋賀県は28年度発注でICT土工実施が1件、29年度発注でICT土工契約済みが1件、公告・契約手続き中が1件。
 京都市は28年度発注は実績なし、29年度発注は公告予定1件。現在、ICT活用工事の運用に京都市独自の基準がない状況。29年度に予定しているICT活用モデル工事実施後に今後の方針を検討するとしている。
 業界団体の取組状況として、一般社団法人日本橋梁建設業協会のi−Bridge、CIM試行例@(豊岡河川国道事務所の八木川橋南側上部工事)、同A(奈良国道事務所の大和御所道路出屋敷高架橋(P17−P19)工事を紹介。一般社団法人建設コンサルタンツ協会近畿支部のCIM分科会による維持管理からみたCIM活用ガイドラインの取組報告もあった。