名古屋市はPark−PFIによる再生整備を計画している久屋大通公園について、2017年度下期にも整備事業者の公募手続きを開始する。このため、9月補正予算案に事業者選定審議会委員への報酬を盛り込んだ。これに加えて、9月市会には久屋大通公園条例の制定も上程。カフェなど施設の設置を認められるようにする。条例と予算の議決を経て、早期の公募手続きを目指す。
9月補正予算案に盛り込んだのは、「久屋大通公園北部園地・中央園地整備事業者選定審議会」の報酬で17万9000円。
さらに、公園条例の制定により民間事業者がカフェなどの収益施設と公園施設を合わせて整備する、Park−PFI方式を導入できるようにする。同方式はこの6月に施行された改正都市公園法により創設された仕組みで、飲食店や売店などの収益施設を設置・管理する民間事業者を公募により選定するというもの。事業者は収益施設と公園施設の両方を整備し、収益施設の収益を公益施設に還元することを前提に、さまざまな特例措置が適用される。今回新たに制定する条例では、カフェなどの収益施設を設置できるようにする他、建ぺい率を現在の2%から12%に引き上げるといった特例を認める。さらに広告塔などの設置も認め、民間事業者のアイデアを生かせるようにする。
市は条例・予算の成立を待って事業者募集の手続きに着手する。17年度内の契約を目指す。
まずは同公園のうち北端の北エリアと、桜通〜錦通間の「テレビ塔エリア」で事業者を募集する。7月に公表した「久屋大通のあり方イメージ」では、植栽の間伐やバリアフリー化、集客施設の設置などを盛り込んだ。整備可能な施設の面積は、北エリアが3200平方b、テレビ塔エリアが2600平方bとなっている。20年度の完成を目指す方針だ。
錦通より南側の「南エリア」については別途、開発を検討していく。先行2エリアの整備完了を待って開発の方針を固めていく。17年度は基盤計画の検討を予定している。
提供:建通新聞社