国土交通省岡山河川事務所は、吉井川九蟠下流堤防補強工事の一般競争入札を11月中にも公告する。
吉井川の河口部である岡山平野は、干拓により形成されたゼロメートル地帯であり、高潮による浸水被害や大規模地震時の液状化現象による堤防などの沈下・崩壊が危惧されている。吉井川河口部の右岸側に位置する九蟠地区では、高潮堤防整備と堤防耐震化が2011年度から始まった。
主な工事内容は、老朽化が進む既設の堤防について、コンクリート護岸と築堤による50a程度の嵩上げと堤防幅の拡幅(4bを7b程度へ)、川表と川裏の地下液状化層に鋼矢板を設置し耐震化を図る。整備延長は約2`。
今回発注する工事では、岡山市東区九蟠地先の九蟠港から上流へ向け約50b区間で、川表側に鋼管杭(矢板)を設置する。工期は6〜7カ月間程度。設計は建設技術研究所(大阪市中央区)が担当した。
16年度末現在の九蟠地区の事業進捗率は、高潮対策が43%、耐震対策が39%。
吉井川水系全体の改修事業費は287億円。17年度事業費は3億円で、18年度事業費は1億5000万円の見通し。九蟠地区の対岸(左岸側)の西辛西地区でも高潮・耐震対策事業が計画されている(一部完了済み)。
「提供:建通新聞社」