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建通新聞社(中部)
2017/09/01

【愛知】山崎水処理センター 将来的な改築検討 名古屋市上下水道局

 名古屋市上下水道局は、山崎水処理センター(名古屋市南区)について、老朽化に伴って将来的な改築を検討している。2016年度には予備的な検討作業として、改築の手法や手順に関する調査を「山崎水処理センター改築計画調査業務」として中日本建設コンサルタント(名古屋市中区)に委託。センターを供用しながら内部の施設を順次、解体・更新するといった施工のイメージをまとめた。ただ、事業化に先立って、まずは将来にわたる汚水量の見通しを固める必要がある。16年度の検討成果を踏まえながら、当面は市内部での調整を進めていく。
 山崎水処理センターが簡易処理を開始したのは1960年。すでに供用開始から50年以上がたち、老朽化が進んでいる。現在の主な施設としては、沈砂池4池と最初沈殿池6池、反応タンク3槽、最終沈殿池6池がある。64年からは活性汚泥法により日量10万立方bを処理していたが、77年に日量12万立方bに処理能力を拡張した。処理方式は標準活性汚泥法。排除方式は合流式で、山崎川に放流している。所在地は南区忠次2ノ3ノ96。
 設備関係は10数年おきに更新しているものの、沈砂池などの構造物は整備当初の施設を継続して使用している。局は現時点で運用に支障はないとしているが、将来にわたって円滑に使用するために改築を検討するとした。
 5日に供用を開始する露橋水処理センターの改築に際しては、付近のセンターに処理能力を振り分け、露橋の供用をいったん停止。全面改築を行った。これに対し、山崎では別のセンターで能力を代替することは困難と見られるため、改築する場合は施工中も運転を続ける必要がある。池を一つずつ順番に解体・更新するなど、機能を途切れさせないような施工計画を考える必要がある。
 処理方式については、改築に合わせて高度処理を導入したい考え。
 事業化に先立つ検討でポイントとなるのが、処理能力の設定だ。本格的な人口減少時代を迎え、施設の将来にわたる供用期間中にどの程度の処理能力が求められるかを推定する必要がある。

提供:建通新聞社