東京都福祉保健局は板橋区栄町の都有地活用で、「社会福祉施設建替促進事業ゾーン」と「防災ゾーン」の事業内容や敷地分割に関する検討を具体化する。区部での社会福祉施設の建て替えを促すため、その期間中の代替施設となる特別養護老人ホーム2棟を都が建設するとともに、近隣区市の備蓄機能をバックアップするため、都の災害備蓄倉庫を整備する計画。各ゾーンの配置や形状、敷地面積などを設定するとともに、建物の配置、規模、構造などを検討し、整備スケジュールを整理して概算工事費を算出する。「東京都福祉保健局板橋構内(都有地)における敷地分割案等検討支援」として、9月20日開札の希望制指名競争入札を経て業務を委託し、年度内に取りまとめる。
都は、高齢者福祉・医療・研究の高度専門的・総合施設である「板橋キャンパス」の再編整備を進めており、その一環として敷地東側にある旧老人医療センター管理部棟の跡地(板橋区栄町35ノ2、敷地面積約2万平方b)の有効活用策を検討している。
現在のゾーニング案では、敷地を「高齢・障害サービスゾーン」「社会福祉施設建替促進事業ゾーン」「防災ゾーン」「多目的スペース」に大きく区分。このうち高齢・障害サービスゾーン(敷地面積約4000平方b)には、定期借地権を設定し、民設民営により高齢者向けサービス提供施設(3階建て延べ約2700平方b)と障害者向けサービス提供施設(延べ床面積約2000平方b)を整備する考えで、2016年度に敷地分割案を整理した。
これに続き17年度は、都が整備を実施する社会福祉施設の建て替え促進事業ゾーンと防災ゾーンについて、敷地分割案などを作成し、各ゾーンの施設整備に向けた要件・課題やスケジュールなどを検討する。
社会福祉施設の代替施設として整備する特別養護老人ホームは2棟(それぞれ3階建て延べ4000平方bで100床の規模)を配置。防災ゾーンには3階建て延べ約3150平方bの規模で災害備蓄倉庫を建設する。
この想定に基づき、関係する法令など敷地の条件や規制、接続する道路や土地の高低差など物理的制約などを踏まえ、現在のゾーニング案の妥当性を確認。各ゾーンの配置・形状・敷地面積や活用・管理方法、敷地分割線などを検討するとともに、区域全体に適用している「一団地建築物設計制度」を考える。
次に代替施設(特別養護老人ホーム)と災害備蓄倉庫の合築も視野に入れつつ、各建物の配置や規模、構造などを検討し、各ゾーンと敷地全体の事業スケジュールを整理し、概算工事費を算出する。
提供:建通新聞社