愛知県建設部は、名鉄名古屋本線の丸の内駅北から大里駅南の区間を高架化する、名鉄名古屋本線新清洲高架事業について、事業評価監視委員会から事業着手の了承を得た。2023年度の着工を目指し、17年度から調査・設計や用地補償などを進める。
名鉄名古屋本線と平面交差している主要地方道名古屋祖父江線、県道給父清須線の踏切は、緊急対策踏切(自動車ボトルネック踏切)に指定されている。このため、名古屋祖父江線と給父清須線との踏切を含めた、名鉄名古屋本線の丸の内駅北〜大里駅南の約2・8`の区間の鉄道高架化を計画。踏切8カ所を廃止し、交差する道路と五条川を整備する。
今回の事業は、道路を高架化する場合の費用を下回ることを前提に鉄道を高架化する、限度額立体事業として実施する。事業費の限度額として設定するのは、名古屋祖父江線、県道給父清須線の他、五条川と、国が管理する国道302号の改修事業。このうち名古屋祖父江線と給父清須線の道路改良事業を今回の事業評価監視委員会の対象とした。
名古屋祖父江線の踏切除却に伴う改良の延長は0・4`。2車線で幅員16bの道路とする。給父清須線の改良の延長は0・1`。2車線、12bの道路を整備する。
17〜22年度で調査・設計を進め、並行して19〜23年度で用地取得を行う予定。着工は23年度を予定している。全体の事業完了は40年度を見込んでいる。鉄道部分の施工は名鉄に委託する見込み。県は交差する道路の整備と五条川の改修を担う。
県は、限度額として道路を高架化すると仮定した費用を算出。名古屋祖父江線が47億3000万円、給父清須線が63億4000万円の合計110億7000万円。これに五条川の整備費などを足した費用が鉄道高架化の限度額となる。現段階では高架化の事業費は明らかにしていない。