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西日本建設新聞社
2017/08/30

【熊本】長陽大橋ルートが開通 地元企業中心に早期復旧果たす

 熊本地震で甚大な被害を受けた阿蘇郡南阿蘇村の長陽大橋ルート(村道栃の木〜立野線)の応急復旧工事が完了し、27日に開通した。同路線は、九州地方整備局が直轄代行で事業を促進。県内建設業者らが中心となり、総力を挙げて復旧に取り組んだ。昨年12月の俵山バイパスに続き、またひとつ阿蘇方面へ向かう道路が回復し、復旧復興への気運が高まっていく。
 熊本地震により、同路線は全線約3`が損傷。道路や法面、4径間PCラーメン橋の長陽大橋(約275b)、片桟道橋を含む戸下大橋(約380b)が被災した。
 長陽大橋は、上部工と橋脚を補修。橋脚部ではひび割れが貫通し、抵抗力が低下したため、コンクリートを充填し充実断面の向上を図った。橋台A1・A2は新たな橋台(5径間連続RCラーメン橋、64・5b)に造りかえた。
 戸下大橋は、17径間のうち2径間が落橋。概ね補修で復旧し、落橋個所は仮橋の設置で対応した。急峻な地形条件を踏まえ山側への増し杭により下部構造の水平抵抗力を確保している。またA1下部の法面が崩壊していることから、山側に約150b迂回させる形で線形改良を進めた。
 施工を担当したのは南陽建設、藤本建設工業、藤永組・和久田JV、杉本・藤本JV、肥後・南陽JV、杉本・藤本JV、西村・矢部JV、杉本建設、富士ピー・エス、日本地研、日特建設。
 開通による整備効果は、村役場庁舎までの所要時間が立野地区から約10分、九州自動車道熊本インターチェンジから約35分になり、約25〜30分の短縮が図れる。
 ただ今回の開通は暫定によるもので、今後も恒久的復旧に向け工事は行われていく。「完成時期は未定だが、長陽大橋上部工の一部補修や戸下大橋の仮橋復旧と下部斜面工事に取り組んでいく」と熊本復興事務所は話す。

開通祝い式典「希望の架け橋に」

 27日は式典を開催し、南阿蘇村の吉良清一村長は「交通の利便性が格段に向上した。復興への希望の架け橋=v、蒲島郁夫知事は「通勤・通学や医療の時間短縮に加え、物流や観光面の回復へ大きな弾みになる」と開通による期待を示した。
 国土交通省の石川雄一道路局長は、困難な工事を早期に復旧した工事関係者に感謝し、「引き続き長陽大橋ルートの恒久対策や国道57号北側復旧ルート、阿蘇大橋架け替え等の早期復旧に向け全力で取り組む」と述べた。
 杉本建設(阿蘇市)の杉本素一社長は「感無量。工期的に厳しい現場だったが、事故無く工事を終えることが出来、ホッとしている」、藤本建設工業(南阿蘇村)の藤本憲成社長は「地元企業として強い使命感を持って臨んだ。今後も復旧工事を通して地域の復興に貢献していく」と話した。

提供:西日本建設新聞社
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