愛知県東三河農林水産事務所は、防災ダム事業で蒲郡市金平町地内の「補陀ケ池」に対する調査測量とともに設計を開始した。若鈴コンサルタンツ(名古屋市西区)に業務を委託、履行期間は2018年3月9日まで。同事業は、県営補陀ケ池地区土地改良事業として、17年度から4カ年度で整備する計画だ。
補陀ケ池は、蒲郡市南西部の中野川水系上流部にあり、1940〜50年代に現在の形になった。貯水量3万9059立方b、堤高12・6b、堤長110bのセンターコア型ダムで、受益面積は約13・9f。
これまでに行った調査で、地震に対する堤体の安定不足が判明。決壊する恐れがあり、下流の農地や住宅などに被害を及ぼす危険が高い。被害想定額は約41億円を超える試算が出ている。同事務所では、施設の耐震性を確保し、決壊を防ぐため、堤体などを耐震化する。過年度に策定した補強計画に基づき事業を進める。
計画によると、現在の堤長110bに対して張りブロックによる法面保護工を施す他、堤体の耐震対策工を行う。取水施設は、堤体改修に伴い、斜樋型スピンドル式口径150_×9孔を移設する。緊急放流施設は、スルースゲート1カ所を新設。今回の業務で詳細設計をまとめる。
整備スケジュールは、18〜20年度で堤体工、19年度に取水施設工と緊急放流施設工を行い、20年度に完成する予定。
提供:
建通新聞社