県教育庁は「県立図書館の今後の在り方検討事業」の企画提案で、最優秀提案者に図書館計画研究所(東京都文京区大塚3―1―1)を特定した。応募は1件だった。委託期間は本年12月28日まで。委託金額の上限は570万円(消費税込み)。老朽化が著しい中央図書館を含めた県立図書館について、市町村立図書館との連携方策やインターネットを活用したサービスの実施など、県立図書館として求められる役割・機能、施設整備の方向性などを検討する。
同業務の内容は、@インターネットを活用した図書館サービスの導入・充実に関する調査・分析A市町村立図書館との連携方策における先進モデルの調査・分析B県立図書館の整備体制別のコスト面の比較検討C県生涯学習審議会の出席及び資料の作成――の4項目。
県立図書館の整備体制別のコスト面の比較検討では、現行体制を維持した場合と2館または1館に機能を集約した場合とのコスト面の優位性を比較検討する。
現在の中央図書館(千葉市)、西部図書館(松戸市)、東部図書館(旭市)による3館体制を維持する場合については、中央図書館は今後5年以内に建て替えることと仮定し、西部図書館と東部図書館はそれぞれ建築後40年経過ごろを目安として大規模改修を行うこととする。新たな中央図書館の規模(書庫を除く)と機能は現在と同程度とし、建設位置についても現在の敷地の近接地と仮定する。書庫規模は現行の約55万冊から約120万冊の収蔵能力に拡充する。
2館体制に機能集約するパターンでは、中央図書館は今後5年以内に廃止し、西部図書館と東部図書館の2館による運営を仮定。西部図書館と東部図書館は、それぞれ建築後40年経過ごろを目安に大規模改修を行うこととする。また、今後5年以内に東部図書館の敷地内に新たに書庫棟(収蔵能力約120万冊)を新築すると仮定する。
1館体制に機能集約する場合は、中央図書館は今後5年以内に建て替えることとし、新中央図書館建設後に西部図書館と東部図書館の機能(蔵書保管等)を中央図書館に統合すると仮定。新中央図書館の規模(書庫を除く)は現在の約1・5倍程度とし、建設位置は現在の敷地の近接地と仮定し、併設する書庫は約220万冊程度の収蔵能力を有する規模とする。
在り方の検討は、県生涯学習審議会に諮る予定。審議会は本年10月上旬から12月中旬までの期間で3回程度の開催を予定している。
県立中央図書館(千葉市中央区市場町)は1968年6月の竣工。建物規模は、プレストレスト・プレキャストコンクリート造一部RC造地下2階地上5階建て延べ約6171u。蔵書冊数は86万2933冊。同施設の設計は大高建築設計事務所(東京都渋谷区初台1―47―1)が担当し、工事は戸田建設が施工。
西部図書館(松戸市千駄堀)は87年3月の竣工で、建物規模はRC造地下1階地上3階建て延べ3261・7u(本館2349・94u、書庫棟911・76u)。蔵書冊数は26万9012冊。
東部図書館(旭市ハ)は98年3月の竣工。建物規模は延べ3590・86u。蔵書冊数は27万1673冊。