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北陸工業新聞社
2017/08/26

【福井】首長インタビュー/インフラの老朽化対策/牧野百男鯖江市長(下)/子や孫にツケを回さない魅力を/女性が活躍できる土壌へ

 ■予算面のやり繰りも大変なのでは。
 市長 先に更新費用の試算を実施し、今後39年間の平均更新費用が維持費も含め年間31億円(〜35億円)程度も必要とされた。到底使えるわけがない。やはり年間20億〜25億円ぐらいが適当ではないか。当市の財政規模から考えて、子や孫にツケを回さないためにも35年債という長期の債権ではいけない。なかなか先が読めない時代で、できるだけ平準化を図りたい。20年債程度に抑え、借金をどんどん減らしていきたいと思う。年間20億円ほどで下水道管も含めて維持管理費を全部まかなっていきたい。実は学校のトイレもまだ和式が多く洋式化も図りたいし、雨水を含めて下水管も維持管理が結構大変と聞く。
 ■公共施設マネジメントへの抱負を。
 市長 とにかく子や孫に借金を残すことは避けたい。やっぱり現役世代でまかなえるものはまかなった方がいい。原則的には当たり前の話ではないか。あなた達の世代のことはあなた達で色々と考えてくださいねと。そんな良好な財政状況でないと、子ども達はあんな借金のあるまちになぜ、と言いますよね。お陰様でうちは借金が徐々に減少する状況。あくまで現有施設の長寿命化を図り、維持管理を徹底していく。まさにストックマネジメントが大切だ。
 ■時代のキーワードは若者や女性とかねて指摘されますが。
 市長 これからは益々ソフトが重要だ。地方都市に戻ってくれるというのは人情が厚く、子育て環境が地域ぐるみであったり。また女性が活躍しやすい土壌なども大切。そこにこそ施策を振り向けるべき。時代時代に応じて様々な事業要請が出てくるが、これからは借金をしても丸々地方で担がねばいけない厳しい財政状況に。国が借金体質のため、今後はますます地方の面倒なんてみてられない時代になるのではないか。これだけ不安定な時代になると長期の起債は冒険で、身軽な財政が理想的。

hokuriku