建通新聞社
2017/08/28
【大阪】大阪府・大阪市・堺市の低入適用案件落札率
大阪府、大阪市、堺市が2016年度に発注した建設工事のうち、低入札価格調査制度適用案件の落札率が本紙調査で明らかになった。適用案件と落札率は、大阪府が1029件で88・19%、大阪市が21件で85・1%、堺市が132件で80・75%となり、堺市が府より7・4ポイント下回る結果となった。
入札契約制度で、最低制限価格は設定価格を下回ると失格するのに対し、低入札価格調査制度は、設定価格を下回ると当該価格で入札した根拠資料の提出を求め、適切に履行されると判断された場合は契約することができる。このため、より価格競争になりやすく、落札率が低下する傾向がある。
最低制限価格案件の落札率を見ると、大阪府は88件で87・12%、大阪市は1175件で90%、堺市は374件で87・56%。低入札価格調査案件と比較すると、同案件の方が、大阪府はプラス1・07ポイント、大阪市はマイナス4・9ポイント、堺市はマイナス6・81ポイントとなり、大阪府だけが高くなっている。大阪府は、土木は同案件の方が落札率が1・28ポイント低いが、建築では4・48ポイント上回っている。
低入札価格調査案件を建築と土木の工種別に見ると、いずれの発注機関でも土木の方が建築よりも落札率が低くなった。中でも大阪市は、建築の落札率が92・1%に対し、土木が79・9%と12・2ポイントの開きが見られた。堺市は全ての工種で最低制限価格案件よりも低入札価格調査案件の方が低く、落札率は6・1〜7・93ポイント低くなっている。
低入札価格調査制度の適用対象となる予定価格は、大阪府は土木一式3億5000万円以上、建築一式6億円以上、電気・電気通信・管が2億円以上、大阪市は総合評価などの一部を除き6億円を超える案件、堺市は9000万円以上となっている。