24日からの大雨により、県内では大仙市で雄物川や福部内川が氾濫したほか、同市では「全国花火競技大会(大曲の花火)」の観覧会場が冠水するなど、県内全域で被害があった。県災害対策本部によると、25日15時現在、住家では五城目町で床上浸水が1棟、同町や八郎潟町、北秋田市合わせて床下浸水が12棟あった。道路では五城目町、由利本荘市、大仙市、横手市など6路線が全面通行止めとなっている。
県内では24日から25日にかけて非常に激しい雨が降り、観光施設や学校施設、道路、農林水産施設などが各地で被災した。秋田市の太平川、由利本荘市の芋川、大仙市の福部内川が氾濫危険水位を超え、福部内川は氾濫した。
観光関連では、田沢湖スキー場かもしか駐車場への取り付け道路2カ所が、最深1m程度の規模で陥没。また、第91回全国花火競技大会の会場では、雄物川の氾濫により観覧席や仮設トイレが冠水した。
県災害対策本部によると、小・中学校では秋田市の太平小学校で10cmの床上浸水と50cmのグラウンド冠水が発生。大仙市では花館小学校で野球場が冠水したほか、豊成中学校では体育館、野球場、グラウンドが冠水した。協和中学校では渡り廊下が、仙北中学校では機械小屋が浸水した。
県立学校では、秋田高校のサッカー場表土が野球場へ流入したほか、新屋高校では校地内道路で土砂が流出。能代高校や西目高校の校舎棟、由利高校の第一体育館では雨漏りが発生した。文化財では、大仙市の払田柵跡で法面が崩落。横手市の大鳥井山遺跡でも斜面が崩落した。
農林水産関連では、上小阿仁村や北秋田市の水稲で冠水が発生したほか、八峰町でもねぎほ場が浸水した。秋田市では太平地区や河辺地区で田畑の冠水や浸水被害が発生。雄和の平沢ファームでは園芸ハウスのビニール1棟が破損、河辺地区の寿牧場では進入路が崩れ通行不能となった。下新城・上新城地区も浸水した。五城目町や由利本荘市では水田が冠水。大仙市でも協和淀川地区などのほ場で冠水・浸水被害が発生した。
道路では県道秋田御所野雄和線の秋田市河辺戸島上祭沢で倒木、秋田八郎潟線の五城目町馬場目字北ノ又で土砂崩れ、本荘西仙北角館線の大仙市刈和野一ト鶴で道路冠水、象潟矢島線のにかほ市象潟町横岡から由利本荘市矢島町荒沢で倒木と土砂崩れ、強首峰吉川線の大仙市協和峰吉川では道路冠水、横手大森大内線の由利本荘市曲沢で地すべりが発生し、これらはいずれも全面通行止めとなった。
県は25日、未明と午前中、夕方に3回の災害対策本部会議を開催。夕方の会議では被害状況などを映像で確認し、佐竹敬久知事からは、各市町村との連携を密にして県民へ的確な情報提供を行い、被災箇所の復旧などに各部局ができることを実施するよう指示が出された。
提供:秋田建設工業新聞社