名古屋市緑政土木局は、東山動植物園にレッサーパンダ舎を建設するため、設計作業に着手する。このため、「東山動植物園レッサーパンダ舎造園基本・実施設計及び建築基本設計業務」を一般競争入札でアルダー環境設計室(名古屋市中区)に委託した。落札金額は548万円で、予定価格は581万9000円だった。今回の委託とは別途、2017年度内に建築実施設計を委託する予定。工事は18年度にも着手したい考えだ。
レッサーパンダは、河村たかし名古屋市長が4月の選挙で東山動植物園に新たに導入するとした「超目玉動物」の第一弾。同園でも1982年まで飼育していたものの、35年間にわたって不在だった。
レッサーパンダの導入に伴って整備するのは、屋外での動物展示場と獣舎、園路など。現在のニホンカモシカ舎とその周辺を建設予定地としている。これに伴って、ニホンカモシカ舎については別途に移転を検討していく。今回の設計作業では、ニホンカモシカ舎とその周辺の約2000平方bを対象とした。現況はやや傾斜があり、木が茂った地形。設計の中で詳細な整備場所を絞り込む。
委託業務ではまず、既存施設の位置関係や高さ、ライフラインの状況などを調査。その上で、各種測量を行う。その上で、必要な施設の配置計画を3案をめどに作成。最適案に基づいて、コンセプトや展示構成の考え方を盛り込んだ基本計画を作成する。
造園設計については今回の委託の中で、基本・実施設計を行い、詳細を詰める。擁壁など敷地造成に関わる施設の他、動物飼育施設や観覧スペース、園路、植栽、サイン施設、ライフラインなどが対象。既設構造物の取り壊しも造園設計の中で詰める。
建築設計については、今回の委託では基本設計までを行う。建築実施設計と建築設備実施設計は別途、17年度内に発注までこぎつけたい考えだ。実際の設計作業は18年度にまたがって行う。獣舎建物は、鉄筋コンクリート造平屋100平方b程度を想定している。レッサーパンダは高地の冷涼な環境で生息しているため、空調設備の設置なども必要になる。
一連の検討成果を踏まえ、工事の施工計画を作成し、大まかな工事費を算出する。設計工期は18年5月末まで。
レッサーパンダの早期受け入れに向け、18年度にも着工したい考えだ。工事は複数年度にまたがる見通しとなっている。
提供:建通新聞社