千葉県建設業協同組合連合会(石井良典理事長)の設立40周年記念式典が23日、千葉市内のオークラ千葉ホテルで開かれ、関係者約50人が出席。この日は、ここ20年において、同連合会の発展に寄与した元理事長をはじめ、10年以上にわたり理事・監事の役職に就き、活動に奮闘した総勢13人に対して感謝状を贈呈。受賞者を代表して、鈴木雅博・元理事長が謝辞、来賓を代表して、全国建設業協同組合連合会の福田和彦専務理事と、(一社)千葉県建設業協会の畔蒜毅会長が祝辞を述べた。
◆これまでの功労に敬意
式典の冒頭、主催者を代表して石井理事長は、これまでの道程を振り返ったうえで「この式典は設立40周年を記念し、当連合会の発展に多大に寄与された方々に対して『感謝の意』を表するために開催した」と説明。また、40周年の節目を迎えことについては「今後も組合員各位の経営基盤の強化に資する事業に、役職員一同が一体となって取り組む所存でいる」との決意を新たにするとともに「今後も、より以上の支援を賜りたい」と述べ、あいさつとした。
◆協組と企業活動のバックアップ評価
来賓によるあいさつで畔蒜会長は、同連合会が設立した1977年について「中東戦争の影響により石油価格が暴騰し、第1次オイルショックによる狂乱物価、石油関連の生活用品の不足など、混乱する社会情勢に直面し、建設業界も資機材や人件費の急騰に加え、多くの建設資材不足が深刻化した」と述べるとともに、この混乱を鎮めるために政府・日銀が講じた金融引き締め策について「結果的に公共事業をはじめとする建設市場では、需要はあるものの資金と資材等の調達に困窮し、受注しても着工出来ないという情勢で推移した」と回顧。
その厳しい経済・社会情勢下に設立した同連合会については「中小建設業の資金需要を緩和するための金融事業を柱に、生命共済保険をはじめ各種の保険の取り扱いにより、各地域の協同組合と企業の活動をバックアップし、活性化させてきた」と評価。
一方、地域の中小建設業について「東日本大震災の発生以降、いつどこで起きるか分からない自然災害から、国・県等に代わり、現場の最前線で地域と住民の安全・安心を守る役割が求められている」と指摘した畔蒜会長は、「それらの期待に応えるためにも、地域に密着した建設企業の健全な経営を維持し、いざという事態にも即応できる体制づくりを進めなければならない」と言明。
これらを踏まえて氏は、同連合会に対して「中小建設業の資金調達を容易とする金融事業や生命共済保険の取り扱い等を通じて、組合員企業の経営の強化に資する事業展開は、今後も重要である」との認識を示すとともに「この40周年を契機に、さらなる発展と隆盛を祈念する」と述べ、祝辞に代えた。
◆金融事業と生命共済保険を柱に
感謝状の贈呈後、2000年から2期にわたり理事長を務め、(一社)千葉県建設業協会の前会長、現相談役の鈴木雅博氏が、受賞者を代表してあいさつ。「私が理事長に就任した2000年当時も、小渕首相が病で倒れ、内閣総辞職後に森内閣が誕生したものの、翌年の小泉内閣の発足に向けた動きが加速するなど、国政が大きく変動。公共事業予算も、構造改革路線により削減されていく厳しい状況にあった」と述懐。
40周年の節目については「これまでと同様、(前述の祝辞にもあった)金融事業や生命共済保険の取り扱い等を通じて、組合員の経営力強化に繋げていく活動は重要。引き続き、連合会による取り組みが堅持されていくことを念願する」と述べ、謝辞とした。