愛知県西三河農林水産事務所は、「たん水防除事業新田地区」として、排水機場の更新を計画しており、2017年度に新規事業採択を受けた。総事業費8億8000万円を投入、23年度の完成を目指す。17年度事業では全体実施設計を進める予定で、若鈴コンサルタンツ(名古屋市西区)に4820万円で業務を委託した。現地の測量や調査から新排水機場の詳細をまとめる。
計画によると、新排水機場は既設排水機場下流側の隣接地に全面移転する。口径700_のポンプ施設2基を配備。建屋を含め施設を一新する計画だ。排水先は広田川。排水能力の強化、向上を図る。
このうち、17年度事業では、現在の施設から建設地周辺の面積0・9fに対して用地測量を行い、必要な用地を判断する他、地質調査として2カ所のボーリング調査を実施する。新たに配備するポンプ施設の精査などとともに、設計に反映して施設全体の詳細をまとめる考えだ。
同地区は、幸田町北部の菱池地内で、広田川左岸の低平地。同地区内の排水は常時自然排水としているものの、洪水時は同排水機場(口径600_1基、口径800_1基)による機械排水に依存する。近年の都市化の進展に伴い、流出量が増大。また、現在の排水機場が設置から30年以上が経過しており、経年劣化による排水能力の低下などからたん水被害の恐れが高まっている。このため、全面的な施設更新により、抜本的な改善策を打ち出した。
同事務所では今後、新排水機場の建設用地を確定した上で、18年度に用地取得を進める方針。新排水機場の稼働後、現在の排水機場を撤去して事業を完了する。
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建通新聞社