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西日本建設新聞社
2017/08/23

【熊本】「書類簡素化」「最新単価で契約」 県が円滑施工へ受注環境整備

 熊本県は、円滑な施工に向け「工事書類の簡素化」と「最新資材単価への設計変更」を決め、土木部と農林水産部が発注する全工事を対象に16日から適用を始めた。業界団体に通知するとともに、市町村にも参考送付しており、受注環境を整え、早期の復旧・復興に繋げる。
 工事書類は、品質確保の観点から、土木工事で最大100種類、建築工事で59種類の提出を求めていた。しかし、熊本地震等で発注量が大幅に増加し、書類作成が受注者の負担となっているため、県建設業協会の意見なども参考に検討し、「法令や共通仕様書等に定めている」「品質に影響がある」書類は残し、土木工事15種類、建築工事7種類を提出不要とした。アイドリングストップ点検表の提出は、建機稼働日に毎日記入が必要なため、協会からの廃止意見が特に多かったという。
 ほか今回の書類精査で、提出不要な「軽微な変更時(数量のみ変更等)の変更施工計画書」が提出されたり、規定の撮影頻度を超える写真の過大提出などが見受けられたため、受発注者に周知し書類簡素化を図っていく。
 16日以降の発注工事に限らず、同日時点で竣工していないものも対象となる。
 最新資材単価への設計変更(特例措置)では、地震の影響で資材価格の変動が大きいため、より実勢に即した単価となるよう契約締結月の最新単価に入れ替える。県は毎月1日に単価を改定しており、施行伺・入札公告等と契約日が月をまたいだ場合、契約月の単価で変更契約する。
 単価変動はこれまで、受注者がスライドを請求していたが、変動幅によっては適用が難しく、請求額も1%を超える額を対象としていた。変更契約により、僅かな金額変動でも契約額に反映される。ただ、その後の変動時は、スライドでの対応となる。
 不調・不落等で再入札になった場合には、入札手続き期間の短縮を図るため、単価改定のみの再積算を省略でき、契約締結日の新単価で設計変更する。これまで再積算に1カ月ほど費やしていたが、最短1週間ほどで再公告が可能となり、早期復興へのスピードアップを図る。
 16日以降に入札公告・指名通知する工事から適用している。

提供:西日本建設新聞社
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