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建通新聞社(中部)
2017/08/23

【愛知】堀止地区 民間施設募集へヒアリング 名古屋市

 名古屋市住宅都市局は、中川運河を生かしたまちづくりの一環で、堀止地区にある市有地に民間によるにぎわい施設を建設する。同局は運河での水上交通の活性化に取り組んでおり、名古屋駅のすぐ南側に位置する堀止は都心部の乗船場とも位置付けられている。局は2017年度、民間事業者を対象に要望や実現性をヒアリング。18年度に募集要項をまとめ、19年度にも事業者選定にこぎつけたい考えだ。
 局はこの3月、運河北端の堀止地区から中川運河に架かる長良橋付近までを対象とした、「中川運河にぎわいゾーンにぎわい創生プロジェクト」を策定。堀止地区での民間主体によるにぎわい施設整備は、三大プロジェクトの一つとなっている。
 施設整備を計画しているのは、堀止地区の東岸に面した約2000平方bの市有地。局は運河での水上交通の活性化に取り組んでおり、堀止東側は将来的な乗船場と想定。乗船場と一体となり、都心に近い水上交通の拠点という立地を生かしたにぎわい施設の建設を目指している。
 当面、検討課題となるのは、民間事業者が担う役割の範囲だ。乗船場としては券売所や待合施設、浮桟橋といった機能が必要になる。これに付随して商業施設などを整備する事業イメージを描くが、民間事業者が桟橋などの整備をどこまで担うかを考える必要がある。局は17年度に行うヒアリングを通して、事業性や実現性、課題を確認。調査結果を踏まえて18年度に募集要項を作成するとしている。事業者選定と工事は19年度から21年度にかけて行う見通しだ。
 残る三大プロジェクトとしては、運河沿岸用地の活用と、地域が主体となったイベント拠点づくりがある。
 運河沿岸は大半が倉庫となっているものの、水上物流の衰えとともに利用が低下。リノベーションによる回遊拠点づくりを目指している。
 ここで必要になるのが規制緩和だ。沿岸用地は市有地で、名古屋港管理組合が倉庫の所有者に貸し付けている。通常であれば、倉庫を更地化した上で貸し付けを完了。改めて組合が貸し出す形になる。この場合、にぎわい施設を設置するには新たに建物を建設する必要がある。局は今回、個性ある拠点づくりに向けて、倉庫のリノベーション利用に着目。規制緩和により倉庫を転貸したり、リノベーションしてアトリエや商業施設などに利用する形態を検討している。
 このため、局は17年度、倉庫の所有者や、倉庫を利用したいアーティスト・クリエイターへのヒアリングを実施する。その上で、18年度以降、事業が煮詰まってきた時点で、社会実験として規制緩和を導入する。
 この他、エリアマネジメントなどの仕組みを活用し、地域主体でまちづくりに資するようなイベント開催を促す。対象エリアとしては、ささしまライブ24地区と連携できる堀止地区や、露橋水処理センターの上部空間を考えている。
提供:建通新聞社