日本工業経済新聞社(群馬)
2017/08/22
【群馬】高崎土木建築業協同組合・高崎市総合防災訓練に参加
高崎土木建築業協同組合(橋榮作理事長)は20日、高崎市が開催する総合防災訓練に参加した。道路・ライフライン応急復旧訓練として、倒壊した建物を撤去する訓練を実施。訓練を行った約15人の青年部八日会は、手際よく建物を解体、ユニック車で釣り上げ撤去作業を行った。
道路・ライフライン応急復旧訓練では、震災対応訓練として震度7の強い揺れが記録した事により市内各所で道路の陥没や損壊、上下水道の破断、電気およびガス供給施設の破壊などを想定。同組合は倒壊建物が道路を塞いでいるため、道路の応急復旧に当たった。チェンソーで倒壊建物を切断、ユニック車によって倒壊建物を釣り上げ、撤去。迅速な動きで周囲をカラーコーンなどで囲み、作業中であることを周知。倒壊建物を釣り上げる際は、声を掛け合い、安全に注意しつつ慎重に作業した。
訓練を前に青年部八日会の信澤裕会長は「災害対応ですからいつでも準備はできている。安全作業で頑張ります」と意気込みを語った。
このほか道路・ライフライン応急復旧訓練では、高崎水道工事業協同組合(湯浅均理事長)が高崎市水道局とともに、給水車を出動させ、被災者への給水作業を実施。高崎下水道管路施設管理業協同組合(森田岳志理事長)は閉塞している管の確認と復旧作業、仮設トイレの組み立て訓練などを行った。
総合防災訓練では特殊車両も展示され、国土交通省高崎河川国道事務所(堤啓所長)は、自然災害体験車や降雨体験車などを用意し、市民への防災意識の高揚、啓発を図った。また、国土交通省利根川水系砂防事務所(田村圭司所長)は、災害情報の収集訓練として、ドローンによる人の侵入の困難な場所の写真撮影やリアルタイムに映像を配信するなどの訓練を実施した。
高崎市の富岡賢治市長は「それぞれの防災に有効な手立て、手段をお持ちの皆さま方がしっかりと訓練をされまして、防災に当たっていただくことが大事です。市民の間の思いやりや助け合いが一番大事ですが、それだけでは防災には対応できない。皆さまのような方々が主軸となって頑張っていただくことが本当に大事だと思っております。市民を代表いたしまして改めて御礼申し上げます」と述べた。
高崎市議会の逆瀬川義久議長は7月に九州北部で発生した豪雨災害などに触れ「市民を守るための防災体制の確立は行政にとって重要な課題であり、市民の防災意識の高揚を図ることは大変大切なことと感じております。万が一の災害発生時には、本日の訓練で培われた力を十分発揮されまして、市民の生命、財産を守るため一層のご尽力を賜りますようよろしくお願い申し上げます」とあいさつした。
県高崎行政県税事務所の小嶋利男所長は「本県は県土の3分の2が山地を占め、利根川をはじめとする多くの河川が流れ、豊な自然の恵がもたらされる一方で、大雨が降ると土砂災害や水害が発生しやすい地域でもあります。また平成24年に実施した地震被害想定調査では、本県に大きな被害をもたらす恐れのある活断層があることが確認されています。本日の訓練を契機にさらなるご精進の上、地域防災力を向上すべく引き続き積極的に活動に取り組んでいただくことをご期待申し上げます」と語った。
群馬県議会の橋爪洋介議員は「日ごろの皆さんの訓練の成果を存分に発揮していただき、精度の高い熱のこもった訓練を拝見させていただきました。いざという時のために備えていただく、これが一番大事だと理解しております。国、県、市が連携を取って、今日お集まりの皆さまがそれぞれの立場で、それぞれの職責を全うしていただくこれが一番大事だとも認識しております。ぜひ、きょうの成果をその時に存分に発揮していただければと、心よりご期待申し上げます」と述べた。