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秋田建設工業新聞社
2017/08/22

【秋田】泉・外旭川新駅(仮称)は費用便益改善で「整備は必要」

 秋田市交通政策課は、市議会建設委員会(閉会中)に泉・外旭川新駅(仮称)における費用便益分析の再算定結果を示した。駅施設や都市施設の整備費を17億2,900万円、都市施設の維持管理費を2億3,600万円、便益を計48億3,000万円として比較した結果、費用便益比(B/C)を2.46と算定した。25年度の算定時は1.21で約2倍に改善したことを受け、市は「費用対効果があり、整備は必要」との認識を示し、今後の予算案に設計費を計上する方針だ。
 市では、鉄道交通の利便性向上という観点から、泉・外旭川地区に新駅を設置するため検討を進めており、平成24年度から整備効果の調査や配置計画の検討などを進め、建設適地には「菅野地下道付近」を選定している。
 現段階での整備案によると、駅施設として駅本屋(待合室、券売機等)、プラットホーム、上屋、防風スクリーン、連絡通路などを、都市施設として駐車場や駐輪場、バス停、タクシー乗り場、一般車乗降場、自由通路、階段、エレベーターなどを想定している。
 昨年度にはJR東日本が予定地の支障物件調査や概算額の算出を行い、市が概算総事業費を20億5,000万円(うち支障物移転費2億3,100万円)と試算したが、この年度は便益(利用者・消費者が得られる価値)と整備などにかかる費用を比較する費用便益費を算定しておらず、25年度に費用便益比を算定した時から利用者予測数なども変わった(25年度1,167人、26年度2,351人、29年度2,118人)ため、改めて最新データを用いた再算定を行った。
 再算定は鉄道プロジェクトの評価手法マニュアルに基づき、人口減による便益低下も考慮して計算期間を50年、整備期間を29から32年度、新駅開業年度を33年度に設定。さらに、将来価値を現在の価値に換算する社会的割引率を4%として算定した。新駅の利用者予測は類似駅として土崎駅を参考にした。
 B/Cでは具体的に、便益で所要時間の短縮や交通費用の減少などの「利用者便益」、営業収入や経費の増加など「供給者便益」、CO2排出量や交通事故、走行費用の減少など「環境等改善便益」について算定し、施設の整備費は17億2,900万円、都市施設の維持管理費を2億3,600万円として計算した。便益(B)の合計は25年度の15億5,200万円に比べ、今回は48億3,000万円と大幅に伸びた。
 市は「マニュアルによれば、B/Cが1以上なら基本的に効果はあるとされている」とし、整備の必要性を強調。今後の予算案に設計費などを計上したい考え。
 なお、明日24日には泉学区町内会連合会(原田健司会長)と外旭川地区の4団体(外旭川地区振興会:中村茂会長、外旭川商工会、外旭川中学校PTA、外旭川小学校PTA)が、新駅の早期整備について市長に要望書を手渡す予定となっている。


提供:秋田建設工業新聞社