愛媛県は、7月の九州北部豪雨の被害を踏まえ道路や河川、砂防施設整備などの防災・減災対策を県単独で積極に推進する事業費などを盛り込んだ一般会計9月補正予算案93億7325万円をまとめ、21日から始まる9月定例議会に上程する他、高規格道路八幡浜道路の郷高架橋上部工に着手するため、債務負担行為として19億3000万円を限度とする予算措置も計上する。会期は8月21日から9月5日。当初からの累計は6512億1272万円となった。
補正では、南海トラフ地震や台風、集中豪雨などに備えるとともに、7月の九州北部豪雨の被害を踏まえ、県独自の防災・減災対策を積極的に推進するため、道路や河川、砂防施設整備、河川氾濫防止対策など安全・安心確保対策に46億8000万円を計上している。これにより、県民の安全・安心確保対策の当初予算と合わせた予算額は、2016年9月補正後と同規模の182億円となった。
追加となった県民の安全・安心確保対策の主な内訳は、県管理道路の改築などを行う地震防災関連道路緊急整備事業費(70カ所)に13億0230万円。法面工や路面補強などを行う道路防災・減災対策事業費(124カ所)に12億9000万円。
地震などによる大規模災害に備え、浸水被害の発生が予想される災害危険箇所の護岸改修や樋門改良などを行う河川地震防災強化対策事業費(77カ所)に4億7880万円。河川堤防の危険箇所の堤防強化などの対策を行う河川堤防強化緊急対策事業費(3河川)に1億円。河川の治水機能を向上させるため、土砂の堆積が著しい箇所の河川掘削などを行う河川防災緊急対策事業費(92カ所)に3億円。
津波による浸水被害を防止するため護岸補強などを行う海岸施設防災・減災対策事業費(15カ所)に1億6820万円。
避難や緊急物資の輸送などに際し、機能を強化させることが必要な港湾施設改良などの港湾施設防災・減災対策事業費(27カ所)に2億2200万円。
市町が行うがけ崩れ防災対策の補助(12カ所)に8220万円。地震や集中豪雨などによる災害に備え、緊急的に対策が必要な砂防施設の機能強化を行う砂防施設防災・減災対策事業費(75カ所)に7億3650万円。
他、地域高規格道路大洲・八幡浜自動車道八幡浜道路の郷高架橋(八幡浜市郷)の上部工整備に債務負担行為19億3000万円(限度額)を設定した。橋長200b、幅員9bの2径間連続鋼床版箱桁橋。工期は18年3月〜20年12月。
提供:建通新聞社