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建設経済新聞社
2017/08/22

【京都】第一市場賑わいゾーン活用 契約相手にスターツを選定 飲食とホテルのビル建設へ

 京都市は21日、京都市中央卸売市場第一市場「賑わいゾーン」の活用に係る契約候補事業者について、東証一部上場のスターツコーポレーション梶i代表取締役社長磯ア一雄氏、東京都中央区日本橋3丁目4−10)を選定したと発表した。
 市は、スターツコーポレーションを含む4事業者の提案を選定委員会で審査。同社が最高点の75点(100点満点)を獲得し、契約候補事業者に選定された。
 同社の提案については「第一市場の食材を徹底して活用する」「国内外の観光客やビジネス、ファミリー層など多様な人を呼び込むとともに、京都駅西部エリア活性化の新たな核をつくり、地域や商店街とともに発展することを目指している」「1階と2階を商業施設とし、周辺エリアに不足している飲食を中心とする店舗構成とするとともに、地域の商業者に対するテナント出店の積極的な働きかけと、地域ニーズの高い商業者、全国的に知名度の高い商業者の配置を行う」「3階以上の高層階はホテルとし、観光客の受入環境の向上に大きく貢献するとともに、JR新駅から接続するテラスや第一市場に連絡する空間デッキの設置及び当該施設の1階に設置する観光情報センターによる情報発信を備える」などの点を評価した。
 市は、同社に対し施設の整備、運営にあたっては、ホテルだけではなく、テナントに参入する事業者を含め、地域の商業者をはじめとする市内事業者の積極的な活用や正規雇用の充実に努めることなどを要請した。
 施設概要によると、京都の「食」と「職」をテーマにした商業施設とホテルの複合施設とし、8階建の建物を建設する。商業施設は1階・2階、ホテルは3階〜8階に配置する。
 事業概要は、@第一市場の食材を活用した飲食店を中心とする商業施設A伝統工芸品の販売及び伝統文化・伝統産業の学びや体験の機会の提供B商店街などの地域情報、観光情報等の発信拠点となる観光情報センターの設置Cホテル(約200室)Dレンタサイクルの導入など。
 貸付希望期間は60年間で、貸付希望価格は3000万円(年額)。
 市と同社は基本協定の内容の協議を9月下旬頃まで行い、9月末頃に基本協定を締結する。協定締結後、事業計画や契約条件の詳細を協議し、貸付契約(60年間の一般定期借地権設定契約)を締結する予定。
 市は水産事務所棟などの既存建物を解体(除却)する。水産事務所棟などの既存建物の解体撤去工事はナガタ−鳥羽特定建設工事JVが担当。工期は30年6月29日。
 賑わいゾーンは七条通北側の水産事務所棟敷地の一部(下京区朱雀堂ノ口町35−1、朱雀正会町53他。実測面積4000u)。用途地域は商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)。高度地区は31m高度地区。
 七条通付近のJR嵯峨野線新駅設置を見据え、市は賑わいゾーンを含む七条新千本地区の約0・7fに宿泊機能を誘導。誘導用途(ホテルや旅館)に供する床面積の合計が延べ面積の1/2以上の建築物は容積率400%に200%を加算できるようにし、容積率の最高限度を600%とする都市計画変更を行った。また商業集積ガイドプランを29年2月に変更。JR嵯峨野線新駅周辺のエリアは、物販施設の店舗面積上限が1000uだが、七条通(千本通〜七本松通)沿いは3000uを上限とした。