東京都生活文化局は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の終了後、江戸東京博物館の改修工事を始める。これに先立ち基本計画の策定作業に着手する。建築や設備の劣化状況に加え、ユニバーサルデザインへの対応や省エネルギー・再生可能エネルギーの利用推進などの観点から必要な改修内容を検討し、仮設を含めた事業内容を取りまとめる。
江戸東京博物館(墨田区横網1ノ4ノ1、敷地面積2万9293平方b)の規模は鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート一部鉄筋コンクリート造地下1階地上7階建て延べ4万8512平方b。江戸と東京の歴史・文化に関する資料の収集・保存・展示を目的に都が建設し、1993年に完成した。地階に機械室や電気室、中央監視室、楽屋など、地上1階にエントランスホールや企画展示室、大・小ホール、2階に事務室、3階に江戸東京ひろば、4階に収蔵庫、5・6階に常設展示室、7階に図書室やレストランを配置している。
完成から20年以上が経過し、特に設備面の劣化が進行しているため、20年大会を前に非構造部材など緊急対応工事を実施している。
20年大会後には都の「第2次主要施設10カ年維持更新計画」に基づき大規模改修に着手する方針で、具体的な事業の内容や施工手順などを定めた改修基本計画を策定する。
改修後も安定して博物館を運営していく前提の下、これまでに実施した劣化状況調査の結果などを踏まえながら、建築、機械・電気設備の機能を回復させ、経年劣化を解消するための工事内容を検討する。併せて既存不適格事項の改善やユニバーサルデザインへの配慮、省エネルギー・再生可能エネルギーの利用推進、施設の利便性向上などの観点から必要となる工事内容を探る。
また、収蔵品や常設展示室内の大型模型を、工事期間中に全て移転または全て残置する二つのケースで工程計画を立案し、仮設計画も定めて概算工事費を算出する。
9月22日開札の希望制指名競争入札を経て業務を委託し、年度内に取りまとめる。
提供:建通新聞社