東京都財務局は、都有施設のうち「防災上重要な公共建築物」の6月末時点の耐震化状況をまとめた。4457棟のうち耐震化や建て替えなど4439棟(99・6%)の対応が完了し、未対策の建物は18棟だけとなった。残る施設のうち流域下水道本部庁舎や志村警察署など4棟は移転新築や耐震補強に向けた設計作業などを進めており、今後、工事を発注する。築地市場にある青果部別館事務所や水産物部第2本館など5棟は、豊洲市場への移転に伴う閉場時期を踏まえて用途を廃止する。
今後工事に着手するのは▽志村警察署庁舎▽流域下水道本部庁舎▽南野給水所▽上連雀浄水所―の4施設。
志村警察署(板橋区小豆沢1ノ11ノ6)は既存庁舎が老朽化し、現在地で建物規模を拡大することが難しいため、東坂下2ノ22ノ11他の敷地に移転新築する。新庁舎の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造9階建て延べ1万7403平方bを想定。上層階の約4000平方bを単身者向けの待機寮に充てる。現在、実施設計作業を進めており、2018年度に着工する予定。
多摩地域の流域下水道の建設・維持管理を担っている流域下水道本部庁舎(立川市錦町1ノ7ノ26)は、既存庁舎の老朽化や耐震性不足に対応するため、立川市高松町2ノ26ノ12に移転。鉄筋コンクリート造4階建て延べ約3500平方b規模の建物を建設する計画。現在、設計作業を進めており、20年度の完成を目指して工事に着手する。
水道局が所管する南給水所(多摩市南野2ノ16、容量3360立方b)と上連雀浄水所(三鷹市上連雀9ノ41ノ4、容量3860立方b)は、いずれも鉄筋コンクリート造の給水塔を耐震補強する。設計や追加調査などを実施しており、南野は18年3月に工事を契約、上連雀は18年度に着工する予定。
また、▽小笠原支庁清瀬職員公舎3号棟(移転新築)▽石神井学園児童棟・北棟(建て替え)▽石神井学園児童棟・中棟(建て替え)▽金町浄水場第5配水ポンプ所(移転新築)▽深大寺浄水所ポンプ室(移転新築)▽麻布警察署庁舎(移転新築)▽八王子警察署庁舎(移転新築)―はそれぞれ工事を進めており、17〜19年度に対応を完了させる。
築地市場内にある青果部別館事務所、青果部第3卸売業者売場(第2別館)、水産部第2本館(第2卸売場)、水産物部新館卸売業者売場、水産物部仲卸業者売場(旧店舗)の5棟は、豊洲市場への移転後に用途を廃止して解体する予定。
この他、大田通勤寮・大田福祉工場宿舎は移転先の工事完了後に、駒込病院駒込女子寮は借り上げによる入居者の移転後、それぞれ用途を廃止する。
提供:建通新聞社