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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/08/09

【茨城】つくば市が入札制度改定で市内優先打ち出す

 地元が潤う入札制度へ大きく前進−。つくば市議会の全員協議会が8日に開催され、市の入札制度の核となる市入札制度方針の見直し案が発表された。地域の雇用を守り、納税をする企業が持続可能な発展を遂げられるようにすることを念頭に、「市内本店業者の優先」「最低制限価格の適用拡大」「予定価格の事前公表拡大」「A、Cランクの参加機会拡大」などを図った。これから市議会のほか、県建設業協会土浦支部つくば分会や一般社団法人つくば市産業育成協議会といった建設関連団体から意見を募り、内部でさらに精査し、早ければ年内にも新方針が適用となる。
 冒頭のあいさつで五十嵐立青市長は「公正性、透明性、競争性を保ちつつ、地元企業の受注機会の確保と育成に資するため、そして不調を極力回避するために入札制度方針を改定する」と述べた。
 改定内容はまず第一に、地域要件で市内本店事業者を基本とすることを明示。公告期間は現在21日以上としているが、事務の円滑な執行のため15日程度とし、応札可能業者数は競争性を確保するため少なくても20者程度とする。
 また、大規模で高度な技術を要する工事については、JVによる参加を可能とした。
 最低制限価格については、ダンピング防止や品質確保のため、工事はこれまで予定価格(税込み)5000万円未満で適用していたが、1億円未満に拡大。併せて役務のうち、施設管理と清掃についても新たに適用するとした。
 工事の低入札価格調査制度については、現在の予定価格5000万円以上から1億円以上に引き上げる。
 また工事の予定価格で、事前公表は1500万円未満としていたが、1億円未満に拡大する。不調の防止が狙い。
 落札件数については、これまでは市内本店、市外本店にかかわらず、1者あたり2件までとしていたが、市外業者は1件までとした。
 そして不調対策として、再入札の際に失格者を参加可能にする。
 さらにランクも見直しており、電気工事を除く建設工事では、Aランク(700点以上)の参加可能な予定価格を3000万円以上から2000万円以上に引き下げ、Cランク(600点未満)は1500万円未満から2000万円未満に引き上げた。これにより、A、B、Cランクの業者の参加可能案件数が均等になるという。
 なお、この入札制度は常に検証を行い、地域社会の実情に合わせて改善に努めていくとしている。