県内の高校生を対象に、富山と砂防の関わりを楽しみながら理解を深めてもらう「第21回SABO体験楽校」が、1日から3日の2泊3日の日程で開催された。
今回は、桜井高校と富山工業高校から計8名が参加。砂防現場の実体験や工事施工に携わる人々との交流を通し、学校の授業では得難い砂防事業を実際に体験した。主催は北陸地方整備局立山砂防事務所、一般財団法人富山・水・文化の財団。
初日は開校式の後、立山カルデラ砂防博物館を見学。立山や立山カルデラの自然、歴史のほか、土砂災害についても学んだ。有峰林道経由で水谷出張所へ移動した後、立山カルデラで働く作業員の憩いの場である露天風呂「天涯の湯」を清掃。白岩砂防堰堤も見学した。
翌2日は、立山カルデラ内で現場作業を体験。午前中は、有峰地区渓岸対策(多枝原谷)工事現場でドローン操作、H29有峰地区渓岸対策(二の谷)工事の現場で無人化施工、H29湯川第13号砂防堰堤工事現場では、コンクリート打設作業をそれぞれ体験した。
立山温泉跡地を見学後、午後からは、H29有峰下流左岸山腹工事の現場でロープ作業、H29有峰砂防工事用道路その他工事(スゴ谷工区)現場では出来形確認・情報化施工として、マシンガイダンスに理解を深めた。
最終日の3日は、水谷出張所から砂防工事専用軌道で立山砂防事務所に移動。閉校式が開かれ、参加者に修了証書が授与された。
参加者を代表し、あいさつした桜井高校の清水優雅さんは、「立山カルデラの自然の魅力、携わっているたくさんの業者の方々の偉大さを実感した。一番印象に残っているのはロープ作業。標高1000メートル以上の険しい斜面で、たった2本のロープに命を預け作業をされている姿に驚いた。実際に自分たちが経験し、改めて現場作業の難しさや過酷さを感じた。ここでの経験は、これからの進路選択や進路先で生かされると思う。充実した3日間を過ごすことができた」と感謝の言葉を述べた。