熊野建設(鯖江市幸町 熊野佳彦代表取締役)が、石川県輪島市門前町の大本山總持寺祖院で行っていた山門の移動工事がこのほど完了した。
同山門は07年の能登半島地震で被災。曳家を採用し、山門を移動させた後、基礎を耐震化して、戻す工事を実施。山門の大きさは高さ18・3メートル、幅12・8メートル、重さは200トンにも及ぶ。
地震から10年の3月25日に、一度目の曳家作業を実施。機械を使って1メートルほど持ち上げた後、ウインチを使い、1時間で20メートル移動した。
熊野社長は「建物がバランスを崩さず、スムーズに進むことが大切」と語り、車輪やワイヤーの位置などを綿密に調整して作業に臨んだ。
曳家作業は多くの見学者が見守る中で無事に成功。その後、基礎の耐震工事を行った後、先月25日に二度目の作業を行い、元の位置に戻した。
同社は建物の補強・移動・離反装置・昇降台などの面において、独自技術を開発し、特許を取得するほか、高い技術力を継承し、不安定な2本柱の鳥居などの工事も施工してきた。
また、熊野氏は福井県鳶土工業協同組合の要職を務めており、先日フェニックス祭りでも披露された、同若鳶会による梯子乗りの指導も行う。自社でも、協会でも、若手育成と技術継承に熱心に取り組んでいる。
建設国保への加入を
70年に設立の全国建設工事業国民健康保険組合(建設国保)は、全国の建設工事に従事する者が加入する国保制度の一翼を担う国保組合。医療費削減に向け、保健事業などを積極的に実施、加入促進に取り組んでいる。申込は福井支部(福井市城東4−22−20 0776−26−1125 県鳶土工業協同組合)まで。