ネクスコ中日本と富山県は5日、東海北陸自動車道付加車線設置事業着工式を、南砺市立野原東地内の桜ヶ池クアガーデンで開き、全線4車線化に向けた工事がスタートした。
式典には国や富山県、沿線の関係者ら約90人が出席。宮池克人ネクスコ中日本社長が「安全を最優先に工事を進め、全線4車線化への地元の期待にこたえるため、1日も早く完成させ効果を検証していく」、石井隆一知事が「東海北陸道は日本海側と太平洋側をつなぐ重要な大動脈。付加車線工事の完成からシームレスでトンネルの4車線化も進めていただきたい」とあいさつした。来賓の野上浩太郎内閣官房副長官、堂故茂参議院議員、小俣篤北陸地方整備局長、稗苗清吉県議会議長が祝辞を述べた。鍬入れに続き、石井知事と田中幹夫南砺市長、夏野修砺波市長、桜井森夫小矢部市長、高橋正樹高岡市長、林正之氷見市長が「トンネル区間の4車線化新規着工」を求める共同宣言を読み上げた。
付加車線は、▽城端工区(城端SA付近〜福光IC)約4・7キロ▽福小砺工区(南砺スマートIC付近〜小矢部砺波JCT間)約5・3キロ―の2区間約10キロに設置。土工部は盛土を拡幅して総幅員20・5メートルとし、橋梁部は幅員9・25メートルを新設する。総事業費は概算で150億円を見込み、20年度の完成を予定している。トンネル連続区間を除く県内区間約17キロのうち、12キロが4車線となる。8月下旬にも清水高架橋下部工が小矢部市清水で現地着工する。
各区間の工事数量は次の通り。
▽城端工区 南砺市金戸地区〜縄蔵地区 土工部約4・1キロ、盛土量約9万立方メートル 橋梁部(3橋)約0・6キロ、下部工約15基
▽福小砺工区 南砺市梅ケ島地区〜小矢部市水島地区 土工部約4キロ、盛土量約14万立方メートル 橋梁部(5橋)約1・3キロ、下部工約55基
東海北陸道(全長184・7キロ)は、08年に全線開通。起点の一宮JCTから白鳥ICまで4車線で供用し、白鳥IC〜飛騨清見IC間40・9キロでは18年度内に4車線化工事が完了する。