日本工業経済新聞社(茨城)
2017/08/05
【茨城】新規12地区・全33地区早期事業化へ/県営土地改良の調査計画
県農林水産部農地局農村計画課は、県営土地改良事業の実施に向けた本年度の調査計画地区をまとめた。県北6、県央7、鹿行4、県南7、県西9の合計33地区で、このうち新規は経営体育成基盤整備事業における根本(常陸大宮市)、増井(城里町)、押辺安居(笠間市)、延方干拓(潮来市)、北浦(行方市、鉾田市)、野田奈川(稲敷市)の6地区など計12地区。
この調査は、今後の県営土地改良事業を実施するに当たり、前段となる計画や調査、立案などを行うもの。調査計画33地区の内訳は経営体育成基盤事業18地区、畑地帯総合整備事業7地区、基幹水利ストックマネジメント事業3地区、農業農村地域防災減災事業2地区、河川応急2地区、用排水施設整備1地区。
このうち経営体育成基盤整備事業は、区画整理や用排水施設、農道、暗渠排水などを総合的に整備し、併せて担い手への農地集積を図るもの。ほ場整備は根本と増井が新規。久慈川右岸新木崎や額田北郷、笠間大渕、萱場など8地区では引き続き調査する。
経営体育成基盤整備事業の土地改良総合整備では押辺安居や延方干拓、北浦、野田奈川に新規着手する。友部、潮来市牛堀二期、川原代、伊奈三期の4地区は継続。
畑地帯総合整備事業(担い手育成型)は、畑作農業経営の体質強化のため農業用用排水施設、農道および区画整理などの基盤整備を行うとともに、経営安定などのための環境整備を一体的に行うもの。新規地区は角内(つくば市)と今泉(下妻市)の2地区。継続は寄居や武井など5地区。
基幹水利ストックマネジメント事業は、基幹的な農業水利施設の効率的な機能保全対策を推進するため、施設の劣化状況などを調べる機能診断を行い、機能保全計画作成や計画に基づく対策工事を一貫して実施するもの。3地区のうち柴間揚水機場(石岡市)と大山沼(古河市)は新規。
農業農村地域防災減災事業は、地震・集中豪雨などによる災害を防止し、農村地域の防災力向上を図るための総合的な防災・減災対策を実施する。新規の真崎浦(東海村)と、継続の観音堀川の計2地区が対象。
農業用河川工作物等応急対策は、農業用河川工作物の構造が不適当もしくは不十分であるものについて、災害の未然防止を図るために整備または撤去する。島・秋成と青木堰で調査を進める。
施設の築造後、周辺の自然的・社会的条件変化により脆弱した施設が、自己施設のみならず、農地や公共施設などにも被害を与える恐れのあるものについて補強・改修する用排水施設整備事業には、新規で玉里排水機場(小美玉市)が決まった。
なお、これらの調査が終了した地区は、翌年度の事業採択を申請する。