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建通新聞社(東京)
2017/08/04

【東京】都 都市開発諸制度活用方針見直しへ検討着手

 東京都都市整備局は「平成29年度都市開発諸制度活用方針のあり方に関する調査」業務を三菱地所設計(千代田区)に委託した。都市づくりを誘導するため策定している都市開発諸制度活用方針の見直しに向け、居室の質向上や駅と一体となったまちづくり、集約型地域構造の拠点形成につながる方策・仕組みなどを検討する。併せて業務商業など都市活動拠点の整備や地域特性に応じた多様な機能誘導の在り方も検討し、容積緩和など制度活用の方向を年度内に取りまとめる。
 都の都市開発諸制度活用方針は、民間活力を生かしながら公開性のあるオープンスペースの整備や安全で快適な建築物の整備を促すことを目的とし、▽地区計画▽特定街区▽高度利用地区▽総合設計―の四つの制度で構成。公開空地の確保などを行う良好な建築計画に対し、容積率を緩和するなどして都市づくりを誘導している。
 しかし、2003年の策定から10年以上が経過して社会経済情勢が大きく変化。また、急速な人口減少・少子高齢社会を控え、持続的に東京を発展させていくため、長期的で広域的な視点から将来の都市像を示す必要があるとの判断から策定作業を進めている「都市づくりのグランドデザイン」の戦略や施策展開の方向がまとまってきた。
 こうした状況を踏まえ、グランドデザインで示す都市像の実現に向け、都市開発諸制度をより活用しやすいように見直す。
 今回委託した業務では、まず「住宅の質向上」「駅と一体となったまちづくり」「集約型地域構造につながる拠点の形成」の三つの視点から、▽容積緩和の上限設定▽国際競争力や利便性・快適性の向上など誘導すべき質▽駅まち広場や駅へのバリアフリー動線整備など域外貢献を評価する仕組み▽サンクンガーデンなどの整備を誘導する方策▽拠点での諸制度の適用範囲―を検討する。
 次に都市開発諸制度の戦略的な活用に向け、「業務商業など都市活動拠点の整備の在り方」「地域特性に応じた多様な機能誘導の在り方」「施設整備に対する容積緩和の在り方」「環境・防災・福祉の都市づくりの在り方」を探る。
 その上で、拠点の整備区分や具体的な活用地域、地域ごとの戦略、地域特性に応じた割り増し容積や育成用途の配分、地域特性に応じて誘導すべき用途や導入する割合、容積緩和を行った施設の用途変更の在り方などを検討し、改正案をまとめる。

提供:建通新聞社