仙北市スポーツ振興課は、計画している総合体育館建設に関し、年度内に基本計画を策定するため、庁内検討委員会の早期立ち上げに向けて準備を進めている。同委では、外部の調査検討委員会から提出された提言書の内容を検討したうえで、基本計画の委託方法や参加要件、委託内容などを詰める。現時点で来月以降の委託が見込まれている。
総合体育館の建設は、田沢湖地区をスポーツ振興の拠点とするため立案されたもので、市民会館や武道館などがある生保内武蔵野地区が建設候補地にあがっている。同地区は市有地で、他施設と連携することによって多用な運用効果が期待できるほか、周辺宿泊施設を利用した全国大会規模のスポーツ大会等の誘致、大規模災害時の避難場所としての役割も期待できるとされている。
施設規模は、大規模大会の誘致も可能な延べ床面積6,000u程度をベースに検討。アリーナやランニングコース、多目的ルーム、トレーニングルームなどの機能を計画している。当初は屋外砂入り人工芝運動広場(テニスコート、多目的運動広場)の整備も合わせて計画していたが、既存施設の集約化など既存施設の活用も見据えながら検討していく方針。
市は昨年度、基本計画に反映するための整備計画案などを検討する調査検討委員会を設立。学校やスポーツ団体、観光などの関係者で構成される同委では、人口規模や使用状況などの条件が同規模程度となる美郷町の総合体育館リリオスをたたき台に、施設規模や機能などを検討していた。今年6月12日には熊谷徹教育委員長宛てに提言書を提出している。
同市にはアリーナのみの体育館しかないため、提言書ではトレーニングルームなどの機能を備えた多角的に活用できる施設などの要望が盛り込まれた。なお、たたき台にした美郷町のリリオスは、アリーナやランニングコース、フィットネスルーム、会議室、ステージ、ウォームアップルーム、シャワーなどの機能を備えている。
来年度は基本・実施設計や地質調査、用地測量などに着手する方針で、本体建設は平成31・32年度の2カ年で推進する予定。市の実施計画(計画期間29〜31年度)によると、今年度は542万円、来年度は5,000万円、31年度は12億5,000万円の事業費を充てる計画となっている。
実施計画は第2次仙北市総合計画(28〜37年度)の具体的な実行計画として位置づけられる短期計画で、毎年度向こう3カ年を期間とするローリング方式で策定している。
提供:秋田建設工業新聞社