国土交通省岡山河川事務所は、旭川放水路(百間川)事業を進めており、百間川分流部の改築の関連工事として、旭川中原堤防の築造工事を8月中にも発注する。
分流部の上流側に建設する堤防で、主な工事としては掘削工(約6400立方b)、盛土工(約2万0300立方b)、護岸工(約2600平方b)、矢板工(221枚)、捨石工(約1187立方b)などを予定。工期は7カ月間。場所は岡山市中区中原地先。設計は建設技術研究所(大阪市中央区)が担当した。
岡山市街地を洪水の被害から守るため、旭川の放水路として江戸時代に築造された百間川。より安全な放水路とするための整備事業が1972年度から始まり、2014年度からは旭川と百間川の分流部の改築事業に着手した。
分流部では、一定量を超えた旭川の水が荒手堤(一の荒手、二の荒手、三の荒手)を段階的に越えていくことで水勢を弱め下流に放水し、旭川の洪水を防いできた。老朽化が著しいものの歴史的にも価値が高い二つの荒手(三の荒手は明治時代に流され現存しない)の機能を回復させ保存する計画をスタートさせ、今年の6月末には二の荒手が完成した。一の荒手の整備にも10月から本格着工する運び。分流部整備の進捗率は約40%。19年夏までには完成させることで、旭川放水路(百間川)事業全体も完了を迎えることになる。
全体事業費は890億円。17年度事業費は9億1800万円で、県の負担額は2億7540万円。
「提供:建通新聞社」