県(事務局:港湾空港課)が設置する秋田港長期構想委員会は1日、秋田市中通のホテルメトロポリタン秋田で第3回会合を開き、最終案としてまとめられた構想について協議した。構想にはポートタワー・セリオンから中島埠頭ターミナルの再編案などが盛り込まれた。
「あんべいいな 秋田港」と題した同構想は、「産業物流」「交流拠点」「港湾環境」「交通アクセス」という機能別・地区別の整備プロジェクトが盛り込まれており、20年から30年後を見据えた秋田港の将来像を形づくる。来年度に改定する次期港湾計画に反映させる予定。
産業物流では、北東アジアなどとの交易拡大に向け、外港地区で国際コンテナターミナルの拡張や多機能型物流施設の整備を計画しているほか、向浜地区ではバルクヤード拡張、飯島地区では新エネルギー拠点の形成などを行い、再生可能エネルギーや木材・紙等の素材型産業を支える。
交流拠点ではセリオンから中島埠頭のターミナル再編を構想。セリオンと中島埠頭の間にある水域を埋め立ててつなぐほか、セリオン前を通る臨港道路の東側への移設、セリオン物販施設の拡張やオープンカフェの設置、イベント広場・遊具等の整備などを行って旅客船ターミナルとし、クルーズ船寄港時などの賑わい創出を図る。
港湾環境では、レクリエーション機能の向上を図るため、向浜地区緑地にパターゴルフコースやフィールドアスレチック、キャンプ場、グランピングの機能を計画。外港地区では北防波堤、飯島地区新北防波堤、併設緑地を利活用し、海釣り施設や観光客向けの施設も検討する。
交通アクセスでは、港頭地区内の円滑な交通機能体系を構築するため、臨港道路外港線の整備による南北軸の形成や、秋田港駅までのクルーズ列車の導入などを検討している。
1日の会合では委員から、セリオン周辺の再編について「クルーズ船の寄港時だけではなく、平時にも魅力ある施設であってほしい」などの意見が出された。
提供:秋田建設工業新聞社