県防災危機管理部は、2009年9月に策定した「千葉県地震防災戦略」を改訂した。14・15年度千葉県地震被害想定調査の結果や、東日本大震災から得られた教訓等を踏まえ、想定地震や減災目標、対象期間を見直した。想定地震を東京湾北部地震から千葉県北西部直下地震に改訂し、想定地震における死者数を約2100人から約930人に、経済被害額を約9兆6500億円から約4兆1000億円に半減させる。計画期間は17〜26年度の10か年。
同戦略では、減災目標を達成するための減災施策を@予防対策による減災A応急対策による減災B復旧・復興対策による減災――の3つに区分し、新規施策の追加や既存施策の見直しを行い、減災目標を達成するための173の個別施策に整理した。
予防対策による減災では、住宅及び特定建築物の耐震化を促進。住宅の耐震化率を84%から95%に、病院・庁舎など特定建築物の耐震化率を92%から95%に引き上げる。また、県有施設、災害拠点病院、橋梁、ライフラインなどの耐震化を推進。新規に消防学校・防災研修センターを整備し、帰宅困難者対策を推進する。
応急対策による減災では、災害拠点病院の機能の充実や大規模災害時における応援受入体制の構築を図る。一方、復旧・復興対策では「震災復旧・復興対策マニュアル」の充実化と効果的な体制を整備し、災害時保健活動を推進する。
千葉県地震防災戦略は、地震防災対策特別措置法に基づき、地震災害の軽減を図るため、減災目標などを定め、県が実施する施策を盛り込んだ地震防災対策の行動計画。
主な施策は次の通り。
【予防対策による減災】
▽耐震化による減災対策=@県有施設の耐震化A住宅等の耐震化B災害拠点病院の耐震化C教育施設の耐震化D橋梁・海岸施設・岸壁等の耐震化Eライフラインの耐震化▽都市型災害への対応=@帰宅困難者・滞留者対策A中高層建築物対策▽沿岸・埋め立て地域等における減災対策=@津波対策A石油コンビナート対策B液状化対策▽孤立集落等対策▽安全な県土の整備=@道路・橋梁等の整備A土砂災害対策B災害に強いまちづくりC構造物等の長寿命化D居住空間内外の安全確保対策E教育施設の防災対策F危険物施設、高圧ガス製造施設等の防災対策G毒物劇薬製造業施設の防災対策Hライフライン対策等▽防災教育等の推進=@防災教育A防災に関する普及啓発B人材育成
【応急対策による減災】
▽災害対応能力の向上=@防災に関する訓練の実施A情報通信手段の整備▽災害拡大の防止=@広域連携体制の充実強化A広報活動B県の業務継続体制の構築・強化C救出救助活動体制の充実強化D医療救護体制の充実強化E学校における応急対策F公共交通機関の防災対策G避難者対策H被災建築物応急危険判定体制等の確保等▽防災に関する組織の整備=@非常参集体制の強化A災害対策本部体制の強化▽地域防災力の向上▽緊急物資等の確保の推進▽環境・衛生対策の推進=@し尿・ごみ・がれき対策の推進A生活環境の確保B大気汚染の防止
【復旧・復興対策による減災】
▽復旧・復興体制の整備=@復旧・復興体制の整備A復旧の容易な県土づくりの推進▽住宅・都市の復旧・復興=@住宅の供給A都市の復興▽生活・産業の復旧・復興=@被災者の生活支援A被災者の支援の周知B保健対策の推進等