徳島県が今年2月から導入したICT(情報通信技術)活用工事の試行は、7月21日現在、17件を発注、うち11件で契約済みとなっている。全て受注者希望型(手上げ方式)で、結果として11件のうち8件は受注者が希望したが、3件は希望されなかった。試行対象は当初請負対象額3000万円以上、土工1000立方b以上を原則としており、県では今後も引き続き、受注者から希望があればICT活用について協議し、協議が整い効果があると認めた場合に、ICTによる施工を建設現場で進めていく予定だ。
人口減少社会でも社会のあらゆる生産性を向上させることで経済成長を実現させる「社会資本整備の進め方(魅力ある建設現場を目指す生産性向上の取り組み―i−Construction」を、国土交通省は推進している。本格的なi−Constructionへの転換は、調査・測量、設計、施工・調査および維持管理・更新のあらゆるプロセスにICTを取り入れることで生産性を大幅に向上できるとされ、徳島県でもICT活用工事の試行を導入した結果、4月以降に公告した11件で採用が実現した。
県は、一定規模以上の土木工事や、発注者がICT活用が有効と判断した工事で公告時、特記仕様書にICT活用工事(試行)であることを明記している。受注者希望型のため、受注者が希望しない場合は通常工事となる。受注者がICT活用を希望する場合は契約後、発注者にICT活用計画書とICT活用工事施工予定体制を提出して県と協議し、協議が整った場合にICT活用工事を行うことができる。
県のICT活用工事は@3次元起工測量A3次元設計データ作成BICT建設機械による施工C3次元出来形管理などの施工管理D3次元データの納品−の部分が対象。@〜D全ての段階でICTを活用する。対象工事は、河川土工・海岸土工・砂防土工の場合は掘削工、盛土工、法面整形工となり、道路土工の場合は掘削工、路体盛土工、路床盛土工、法面整形工としている。
なお、ICT活用工事の積算(設計変更時)では、@とAは必要と認められる経費を見積もり積算する。BはICT活用工事積算要領で積算する。CとDは@〜Bの直接工事費増額分に対する間接工事費増額分を費用に該当する。
提供:建通新聞社